統計YouTuber、香川県のゲーム条例に疑問符「制限すべきはゲームよりうどん」
10月7日、「謎解き統計学 | サトマイ」(登録者数16万人)が「【香川県 ゲーム条例】子供の健康を考えるならゲームを制限するより、食生活を見直そう」を投稿しました。サトマイは統計学を用いたさまざまなテーマについての解説動画が人気のYouTuberです。
サムネイルに「制限すべきはゲームよりうどん」と記したサトマイは、香川県で2020年に施行された「香川県ネット・ゲーム依存症対策条例」(通称ゲーム条例)の有効性を4つのポイントから議論します。
ゲームって結局子どもに良いの?悪いの?
実はゲーム・テレビ・スマホなどの電子機器が子どもの成績に及ぼす影響について調べた論文はたくさんあるそうですが、論文によって「影響がない」「悪い影響がある」「良い影響がある」など結論が一致していないようです。今回はこのような様々な結果を全てひっくるめて考慮した、質の高い証拠が得られる「メタ分析」の結果から検証していきます。
今回注目するのは1958年~2018年の間に23か国で集められた、5599件のデータをメタ分析した結果です。分析の結果、「全体的な電子機器の使用時間と成績の間には相関があるとは言えない」という結果が出ました。また、デバイスごとに見ると、ゲームよりもテレビの方が悪影響を及ぼしやすいこともわかりました。このことからサトマイは「香川県の主張が間違っているわけではないんですが、ゲーム制限を条例にするのはどうなのかな」「子どもの健康や学力を考えるなら他にやるべきことがあるのでは」と述べます。
本当の問題は糖尿病
サトマイは香川県が他にやるべきこととして「香川県の糖尿病問題」を取り上げます。実は香川県は糖尿病による死亡率が全国2位と高く、小学生4年生においても10人に1人が肥満、または糖尿病予備軍に該当するようです。
糖尿病はさまざまな合併症を引き起こすことが知られるほか、ロンドン大学の研究では高血糖が記憶力や脳の処理能力の低下を引き起こす可能性が指摘されているとのこと。サトマイは「ゲームで学力が・・・と言っている場合ではない」「将来起こりうるさまざまな問題のボトルネックになるのはゲームよりも間違いなく糖尿病問題」と訴えます。
サトマイはこの背景には香川県民の食文化が関係していると考え、食費の支出先に注目します。すると香川県は外食が多く、野菜・海藻類の支出は全国平均を大きく下回っていることが判明。また、外食、自宅での食事ともにうどんへの支出が1位でした。
サトマイは、うどんが糖尿病の直接の原因になるという証拠はないとしつつ、食べ合わせに問題があるのではないかと考えます。うどんを主食にする場合、副菜が親子丼やおにぎりなどの炭水化物になりやすいことをあげ、結果的に野菜や果物の摂取量が減っているのではないかと考察しました。
また、香川県の支出額をみると、スナック菓子が全国4位、キャンディが全国2位、チューハイ・カクテルが全国3位などお世辞にも健康的とは言えません。さらに、うどんやセットで食べられる天ぷらに含まれるグルテンやキャノーラ油が太りやすい体質を作ることにも触れ、次のトピックでは県の政策としてどのようなとをすればよいか考えます。
給食にまでうどんを出さないでいただきたい
サトマイは、自身がもし香川県知事だったら「給食し無償化し、調理に使う油をオリーブオイルにします」と述べます。実は香川県はオリーブの生産量が全国1位で、国内87.4%ものシェア率を誇ります。オリーブオイルには良い健康効果が多くあるので、このオリーブオイルを調理に使い健康的な食事にすると同時に香川県のオリーブ産業を周知する効果が狙えます。また、サトマイは給食の無償化は「オリーブオイルを使用することで上がってしまうコストを家庭に負担させないため」と説明します。
さらに献立については、グルテンや菜種油、キャノーラ油などの太りやすい体質を作る食品以外を使用することを勧め、「間違っても給食にまでうどんを出さないでいただきたい」「よく地場産業の活性化って言って、糖質と塩分の塊のような郷土料理を給食で出すところがありますが、子どもを地場産業の活性化に巻き込まないでほしい」と厳しい意見も飛び出しました。
最後にサトマイは「目についた問題を近視眼的に潰すことは良いやり方とはいえません」「どの問題を先に解決すると良いのか、その問題を解決することで他の問題も解決しないかなど、解決する優先順位を決めることが問題の根本解決につながる」と動画を締めくくりました。
コメント欄では「統計データの説得力すごすぎます!」「これだけ説得力あるアウトプットを出すのにどれだけ膨大な調べ物をしたのか、動画には見えないところで相当努力されたんでしょうね」「ゲーム条例、糖尿病、食文化、改善と話の流れと掘り下げ方とてもわかりやすく、聞いてて飽きなく楽しいです。改善提案もあり締まりも良く凄い」など、サトマイの論理的な考察、説明に感心する声が多くみられました。
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