乃木坂46のContent ID誤登録騒動、ボカロPも問題の根深さを訴える

アイドルグループ「乃木坂46」(登録者数172万人)のContent ID誤登録騒動に関して、同様の被害に遭ったというクリエイターが問題の根深さを訴えています。

乃木坂のContent ID誤登録騒動

10月18日、公式YouTubeチャンネル「乃木坂配信中」(同123万人)での動画公開時の設定ミスにより、一部の動画配信者に影響を与えるトラブルが発生したとして謝罪しました。

公式サイトでの説明によると、9月19日に投稿した「【マリオパーティ】同期4人でマリパ遊んでみた!【乃木坂ゲーム実況】【Nintendo Switch 2】」の動画において、公開作業時のスタッフの操作のミスにより、Content ID(YouTubeの自動コンテンツ識別システム)が有効になっていたとのこと。

「Content ID」のシステムでは、著作権保有者はYouTube上に自身の作品と一致する動画があった場合に、

・閲覧できないよう動画全体をブロックする
・動画に広告を掲載して動画を収益化し、場合によってはアップロードしたユーザーと収益を分配する
・その動画の再生に関する統計情報を追跡する

YouTubeヘルプ「Content IDの仕組み

などの措置を取ることができるようになっています。

実際に、「KUN」(同166万人)が主催する実況者グループ「ニート部」(同67万人)は、乃木坂と同日に配信をおこなっていましたが、「乃木坂配信中」から著作権侵害の申請を受け、一時的に動画の収益化を停止される事態に。現在ではこのトラブルは解消され、収益化も戻っているようです。

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ボカロPも同様の被害訴え

今回の件に関し、『嗚呼、素晴らしきニャン生』や『夢喰い白黒バク』などの楽曲を手掛けた、ボカロPで作曲家の「Nem」(同3.7万人)は、自身のXを更新し、

これ僕もデカいボカロイベントやってる世界的なレコード会社に10年位収益吸われてたしボカロシーンを代表する某曲もやられてたよ。直談判して全部返ってきたけど

と明かしました。

また、『レッド・パージ!!!』などを手掛けた、同じくボカロPの「P.I.N.A」(同6000人)もこれに反応し、

私も同じような目に遭いました。A社には快く対応して頂けましたが、B社には拒絶され、月数万単位?で吸われ続けてます。本当にショックで音楽が嫌になりました

発端は歌い手アルバムへの楽曲収録契約です。契約・オケ提供前に自身の名義でYoutubeコンテンツID登録を済ませていないとレコード会社がカバーverで先にコンテンツID登録を行い、その結果、Youtube上の原曲及び全てのカバー動画の再生から発生する収益が全て、レコード会社に流れてしまうことになります(レコード会社との契約上、そのうち幾分か還元されるかもしれません)

Youtube再生単価は0.1円とよく言われていますが、実際はもっと高いです×原曲動画に加えて歌ってみた動画の再生回数も同率でカウントされるため、 ボカロPにとって、Content ID収益は圧倒的に重要です(私の場合収益の8~9割を占めています) 個人制作者がその収益源を失うことは、本当に死活問題です

と訴えました。

さらにNemによると、カバーや歌ってみたの投稿者がContent ID登録をおこなった場合、原曲だけではなく、他のカバー動画も検知され、収益がContent ID登録者の元に入ってしまうそう。Nemは直談判の末に、自身でのContent ID登録とカバー側のContent IDの取り下げ、これまでに取られていた収益の返還などをしてもらったといい、それまでは「400近い動画の収益が全部そっちに行っていました」と明かしています。

過去にも同様のトラブルが

こうしたYouTubeのContent IDに関するトラブルはこれまでにも多く起きており、2023年には、TBSの宇内梨沙アナウンサーの『SEKIRO』配信後にスタッフが誤ってContent IDを有効に設定。世界中の『SEKIRO』配信者に対して申し立てがおこなわれる事態となりました。
2020年にはサンドウィッチマン・伊達みきおが天丼を食べる動画でContent IDが有効になっており、同じ著作権フリーのBGMを使用していた料理系YouTuber「トミック」(同215万人)の動画が公開停止に追い込まれました。

こうしたミスが原因のもの以外にも、2023年にフリー音源サイト『魔王魂』内の楽曲を使用した投稿者に対し、無関係の第三者から著作権侵害が申し立てられた件など、Content IDの仕組みを悪用したと思われる事案も複数あります。

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