ベトナム難民2世の人気YouTuber、無国籍・無戸籍の現実を告白
5月15日、日本育ちのベトナム人YouTuber「ヴァネッサさん」(登録者数18万人)が「ちゃんと泣きそうになっちゃった」と題する動画を公開し、自身がベトナム国籍も日本の戸籍も持たない、いわゆる無国籍の状態にあることについて語りました。
日本育ちのベトナム人YouTuber
ヴァネッサは1996年7月15日生まれの29歳。両親ともにベトナム出身で、本人はベトナム人として日本で育ちました。
Xに投稿していた「動画日記」が人気を集め、YouTubeではメイク動画やトーク動画を中心に発信しています。
星野源、羽生結弦、Pentatonixの熱烈なファンとして知られ、2021年5月に星野と新垣結衣の結婚が報じられた際にはInstagramで実施したライブ配信がX上で「#Vanessaさん」のトレンド入りを生むなど話題を呼びました。
KADOKAWAから『自尊心削られながら個性を出せって、どんな罰ゲームだよ?』などのエッセイ集も刊行しています。
「厳密には国籍ないの。もちろん日本にも戸籍はないの」
動画の冒頭では、ヴァネッサは「私、ベトナム人なんですけども」と切り出し、「ベトナム大使館に行って無下にされた話」「改めて在日めんどくせえなって思った話」を順に語るとして、当時の状況を振り返りました。
ヴァネッサによれば、両親は難民として日本にたどり着いたといい、自身はいわゆる「難民の子ども」だとします。
一応住民票とか諸々にね、国籍ベトナムって書いてあるんだけど、厳密には国籍ないの。もちろん日本にも戸籍はないの
と説明し、「置いてもらってる立場」として日本での滞在許可を定期的に申請しながら暮らしてきたと打ち明けました。
各種申請には国籍を証明する書類が必要で、その一環として難民認定証明書をベトナム大使館で発行する必要があったのが、今回大使館を訪れた理由だといいます。
大使館で「あなた、そもそもベトナム人じゃなくて国籍ないんですよ」
ヴァネッサは大使館の公式サイトにアクセスしたものの、ベトナム語と日本語で記載内容が違うことに困惑し、必要書類を確認するために直接窓口を訪れたそう。
案内係の指示でQRコードから申請フォームに入力したところ、本来希望していた難民認定証明書ではなく、その後に控えていた別の申請手続きが進められそうになったと説明。窓口の男性職員から、
あなた、そもそもベトナム人じゃなくて、国籍ないんですよ
それを人道的に対応してるんですね、僕たちは
と告げられたといいます。
書類を揃えて出直すよう求められたヴァネッサは、サイトの日本語ページとベトナム語ページで記載内容が異なる点を伝えますが、
ベトナム語分からないんだったら、分かる家族とか通訳さんを連れてくるとかしてください。努力してください。分からないのは自分の責任です
と返されたとのこと。申請ではなく必要書類の確認をしに行っただけなのに、と不満を吐露しました。
ヴァネッサは、大使館に来ていたベトナム人女性たちに助けを求めたとのこと。女性たちに翻訳してもらい、改めて書類をそろえ直すために役所へ向かったといいます。
親の難民証明書類を発行する手続きの際には、両親が最初にサポートを受けた長崎の難民センターへ問い合わせ、当時の記録を発見。しかし、代理申請に必要な親子関係の証明書類は栃木県で申請する必要があり、自ら車で片道約4時間かけて栃木まで赴くなど、書類1枚を受け取るために多大な労力を費やしたことを明かしました。
「結局大使館行かなくていいらしい」と後日談
動画後半でヴァネッサは、後日談として兄姉から「俺たちはベトナムにも日本にも戸籍情報ないんだから、大使館で発行できるのなんてビザぐらいだぜ」と指摘されたと打ち明けました。
「私何のために怒られたの」と不満をにじませつつ、「あれからいろんな機関からあらゆる証明書をまた発行して、申請はひとまず受理してもらえそうかなっていう状況です」と現状を報告しています。
動画中、ヴァネッサは「働きます。税金も納めます。日本のために動きます。だから日本に置かしてください、の認識なのこっちは」と心境を明かし、「もっと冷静に話し合いができたらいいなと思うんだけど、全然負けちゃうんだよね」とより穏やかにやり取りできるようになりたいとの思いも語りました。









