三崎優太、自身のバイクメーカー「MISAKI」から初のEVバイク「L-noa」を発売

5月19日、「三崎優太」(登録者数118万人)がチャンネルを更新し、自身が代表を務める三崎未来電子株式会社から初の電動バイク「L-noa(エルノア)」を同日発売したと発表しました。

YouTubeで公開された動画では、バイクが世に出るまでの最後の1カ月に密着し、開発の舞台裏が描かれました。

2年前のバイク事故から「三崎未来電子株式会社」設立まで

「青汁王子」として知られ、現在は電気事業や不動産事業も手がける三崎優太は、2024年4月、千葉県の田舎道を中型バイクで走行中に交通事故に遭いました。後続車に煽られ、距離を取ろうとスピードを上げたところでガードレールに激突。左腕を7〜8針縫う大けがを負い、現在も左手がうまく動かせない後遺症が残っているといいます。

事故からほどなくして三崎が動いたのが、電動バイク事業への参入でした。経営難に陥っていた電動バイクメーカー「aidea(アイディア)」の社員から、給料が3〜4カ月にわたって未払いになっているという窮状を訴えるDMが届いたことがきっかけです。当初は多大な資金を要するバイク事業に乗り気ではなかったものの、自身の事故を機に、人生を「肯定したい」と考えたそうです。

肩代わりした給料は約6900万円にのぼり、その見返りとしてaideaの二輪部門を譲り受ける形で、2024年5月に「三崎未来電子株式会社」を設立。この新会社のもとで、自身の名を冠した「MISAKI」というバイクメーカーを立ち上げました。

「到底販売できないレベル」だったバイクを1から

譲り受けた二輪部門には、開発途中のバイクが残っていました。しかし三崎いわく、それは欠陥が山積みの状態で、新聞販売店に貸し出した際にはモーターが故障して止まってしまうこともあったとのこと。「到底販売できないレベル」だったと振り返ります。一方で、その車両を作り上げたメンバーが三崎未来電子に加わってくれたことが「唯一の光」だったといい、彼らの経験を生かして一から作り直す道を選びました。

新しいバイクのコンセプトに据えたのは、「物を配送する人に快適なバイクを届けたい」という思いです。将来的には一般消費者向けの車両も視野に入れつつ、第一弾は新聞配達に特化したビジネス用バイクとして開発を進めることを決めました。

デザインは既存の路線から大きく刷新されました。トヨタ車のデザインを手がけた経験を持つデザイナーの伊藤辰徳さんを起用し、新聞配達というハードな業務に耐える機能性と、未来感のあるデザインの両立を図ったといいます。伊藤さんは「男性が乗っても女性が乗っても似合うフォルム」を意識したと語りました。

さらにメーカーの顔となるロゴは、世界的なファッションブランド「#FR2」や「VANQUISH」を手がけた石川涼さんが担当。ロゴにあしらった鳥の羽根も「三崎」にちなんで3枚にするなど、細部にまで意味が込められています。当初は「MISAKI」の「M」を横倒しにして「3」と掛けたりなどした案を出していましたが、横になったロゴは「転倒」を想起させるため危ないとし、変更を重ねて現在の形になりました。

二度の頓挫と、新聞販売店からの厳しい「ダメ出し」

開発は順調には進みませんでした。三崎は「製造業を舐めていた」と打ち明け、車両が完成するまでに大きく2回頓挫したと明かします。最初の計画では部品もすべて集めて日本国内で生産しようとしたものの、コストを試算すると1台あたりの利益はわずか3万円ほど。アフターサービスの負担も踏まえると「ビジネスとしてやる意味がない」と判断し、計画を白紙に戻しました。

最終的に三崎が選んだのは、設計とデザインは自社で担い、開発は知見のある海外企業と共同で行い、製造も委託するという体制です。三崎はこれを「iPhoneのモデル」と表現し、「バイクのiPhoneになろう」と語りました。

完成に近づいた車両は、新聞販売店での試験運用で思わぬ「ダメ出し」を受けます。「見た目はかっこいいけれど、このバイクで配達するといつもの1.5倍の時間がかかるから使い物にならない」という厳しい声に加え、サイドスタンドの角度が浅く、新聞を積んだ状態では傾斜のある道で倒れそうになるとの指摘もありました。

さらに、スタンドを立てる際の「ガチャン」という大きな音が、早朝の住宅街では騒音になってしまうという課題も浮かび上がります。開発チームはサスペンションやフレームの精度を見直し、スタンドの動作音も静かなものへと改良を重ねました。

走行テストと新聞販売協会へのプレゼンを経て発売

完成した車両は、神奈川県の自動車学校で走行テストにかけられました。自ら試乗した三崎は、足元で操作できるフットブレーキを「めちゃくちゃ楽」と高く評価し、50km/hまで加速しても「全然いい」と手応えを口にします。その一方で、フレームが「少しガタついている感じがする」と、改善点を挙げました。

かつて試作機にダメ出しをした新聞販売店の担当者も、改良後の車両に試乗して「これはもう100点だ」と絶賛。電動ならではの加速の速さから、ガソリンバイクで1時間かかる配達区域であれば「10分ほどの差が出る」と語りました。
さらに三崎は、最大の顧客となりうる日本新聞販売協会へのプレゼンにも臨み、「非常に快適」「随分改良された」といった高い評価を得ました。何台かは正式に導入される見通しだとのことです。

こうして発売に至った「L-noa」は、原付一種の配達業務向け電動バイクです。家庭用100Vコンセントで充電でき、一充電あたりの走行距離は約155km。リン酸鉄リチウムイオン電池やインホイールモーターを採用しています。メーカー希望小売価格は670,000円(税込)で、標準色のピュアホワイトを含む4色を展開。車名「L-noa」の「L」にはLogistics(配達業務への対応)、Long ride(走行性能)、Large capacity(積載性)の意味が重ねられています。

「世界に羽ばたかせたい」三崎の思い

三崎はXでも「三崎未来電子の初のEVバイク、『L-noa』を発売しました」と報告し、「車名には、『大きな自由』という意味を託しました。私達の挑戦はこの一台から始まります」と投稿しています。

動画の終盤、三崎は今回のバイク事業への思いを語りました。「ずっと赤字を掘って、暗闇の中で光を探すような事業はこれが初めて」と苦しい道のりを振り返ったうえで、過去の事件をきっかけに離れていた日本への貢献意識が「少しずつ戻ってきている」と告白。バイクを海外、とりわけEV化が進む発展途上国へ売り出すことで外貨を獲得し、日本経済の活性化につなげたいとの考えを明かしました。すでに次なるバイクの構想もあるといいます。

そして三崎は、「事故に遭ったからこそ、僕はこのMISAKIブランドを世界に羽ばたかせたいと、人生をかけて思っています」とコメント。「人生にはいろんな困難やトラブルが誰にでも起きると思う。それでも諦めず、チャンスに変えてほしい」と視聴者に呼びかけ、動画を締めくくりました。

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