「サナエトークン」キーマンの松井健氏がYouTube番組に登場 対立候補を中傷する動画の制作を認める 高市首相の答弁との食い違いも

5月18日、YouTube番組「NoBorder News」(登録者数16万人)が「【独占スクープ】高市政権に激震─文春砲の“全内幕”を沈黙を貫いてきたキーマンが激白…サナエトークン・中傷動画疑惑の真相とは」と題する動画を公開し、暗号資産「サナエトークン」の開発を手がけた株式会社neu代表・松井健氏がスタジオに生出演しました。

一連の騒動について本人が公の場で語るのは今回が初めてで、自民党総裁選などで対立候補を中傷する動画を制作したことを認めたほか、トークン保有者への補償内容も明らかにしています。

「NoBorder」とサナエトークン騒動

「NoBorder News」は、連続起業家の「溝口勇児」(同61万人)が率いるニューメディア「NoBorder」が手がける報道番組です。ジャーナリストの上杉隆がアンカーを務め、地上波では扱いにくいとされるテーマを正面から取り上げる姿勢を掲げています。

今回の動画が深掘りしたのは、高市早苗首相の名前を冠した暗号資産「サナエトークン(SANAE TOKEN)」をめぐる騒動です。サナエトークンは「NoBorder」から派生したコミュニティ「NoBorder DAO」から「Japan is Back」プロジェクトの一環として2月25日に発行されました。

SNSでは高市早苗のイラストや日本復活を掲げたPRが展開され、「堀江貴文」(同216万人)のチャンネルで公開された「REAL VALUE」内では、溝口の「実は高市さんサイドとはコミュニケーションを取らせていただいてて」と発言。ここから「首相公認の暗号資産」であるという誤認が広がりましたが、3月2日に高市首相がXで「トークンについては私は全く存じ上げませんし、私の事務所側もトークンがどのようなものなのかについて知らされていない」と関与を否定。これをきっかけにトークンの価格は急落し、大炎上する事態となりました。

株式会社neuのCEO・松井健氏はこの騒動の中、「SANAE TOKENのトークンの設計・発行に関する一切の業務は株式会社neuが主体となって行い、その責任を負っている」と声明を出した人物です。

その後、NoBorder側はトークンの名称変更や保有者への補償方針を打ち出し、3月5日には「Japan is Back」プロジェクトそのものの中止を発表しました。

4月1日には、松井氏が週刊文春の取材に応じ、騒動の内幕を実名で告発した記事が報じられました。松井氏は、高市首相の公設第一秘書・木下剛志氏に対し、事前に暗号資産のプロジェクトであることを説明していたと主張。週刊文春は、松井氏側と高市事務所側によるリモート会議の音声データの存在も報じています。

松井健氏が初めて公の場に、プロジェクトの狙いを説明

今回の動画の冒頭、松井氏は「この場をいただけたことに、まずは感謝申し上げます」と述べ、「今回の件で、高市総理、木下秘書、藤井教授をはじめ、たくさんの関係者の皆様に多大なご迷惑をおかけしてしまったことを、申し訳なく思っております」と謝罪しました。藤井教授とは、「Japan is Back」プロジェクトの中心人物とされていた京都大学大学院教授の藤井聡氏を指します。

そのうえで松井氏は、騒動の発端となった「Japan is Back」プロジェクトについて、「日本をもう一度、誇りある国にしたいという思いから始まったプロジェクトです」と説明。今の日本の政治では一般国民の声が政策決定者に届いていないとの問題意識を語り、AIやブロックチェーンの技術で社会をアップデートしたいと考えてプロジェクトを立ち上げたとしました。

サナエトークンについては、多くの国民の声を集めて意見の地図を作る「ブロードリスニング」と呼ばれる仕組みへの参加を促すインセンティブとして設計したものだと位置づけ、「我々運営は、サナエトークンを売却した事実はなく、1円も利益を得ていません」と強調しています。

週刊文春の報道についても言及があり、松井氏は最初の告発記事については関係者の名誉を守るために自身が単独で取材に応じたものだとしたうえで、「最初の文春記事には関わりましたが、その後のスピンコントロール(政治的な情報操作)に関する記事については、新たには応じておらず、文春が独自に記事にしたものになります」と語りました。

 

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