ブラジルの裁判所、「量産型コンテンツ」判定で収益化停止されたYouTubeチャンネルの収益化再開と賠償金の支払いを命じる

5月22日、ブラジルの弁護士が、リオデジャネイロ州の特別民事裁判所がGoogleブラジルに対しYouTubeチャンネルの収益化再開と損害賠償の支払いを命じたとされる判決文を、自身のXアカウントで公表しました。

「量産型コンテンツ」で収益化停止が続出

YouTubeでは今年1月初め頃から、「量産型コンテンツ」とみなされ収益化を停止されるチャンネルが続出しています。

この現象は日本に限った話ではなく、海外でも大きな規模となっています。業界系メディアMilXは「数千の顔出しなしAIチャンネル」が停止されたとし、Music Radio Creativeは累計で「数百万チャンネル」がYouTubeパートナープログラムから除外されたと報じています。

YouTubeは「量産型コンテンツ」について、動画同士の差異が乏しい繰り返しの多いコンテンツや、大量生産されたコンテンツなどを例に挙げていますが、実際にはこれに当てはまらないと考えられるチャンネルも大量に収益化を停止されており、多くのクリエイターから不満が上がっているのが実情です。

こうした背景もあり、XのYouTube公式アカウント「YouTube Creators」が5月1日に『諦めそうになっているクリエイターへ:やめてはいけない、僕たちはあなたを見ているよ』」と投稿したところ、煽りコメントと捉えたクリエイターから怒りの声が殺到しました。

ブラジルでの判決内容

ブラジルで活動する弁護士を名乗るジュリアーノ氏がXで公表した判決文画像によると、判決はリオデジャネイロ州サンジョアン・デ・メリチ市の第2特別民事裁判所が4月27日付で出したものです。

判決文では訴訟の対象となったチャンネルを「Sabedoria y Poder Interior(知恵と内なる力)」としたうえで、被告であるGoogleブラジル側に対し、判決公表から30日以内に同チャンネルの収益化をYouTube上で再開するよう命じられています。これに従わない場合は1日あたり200レアル(約6300円)、上限5000レアル(約16万円)の制裁金が発生するとされていました。

損害賠償については、物的損害として8825.49レアル(約28万円)、精神的損害として3000レアル(約9万5000円)の支払いが命じられています。

公開された判決文には、Google側が「チャンネルのコンテンツは反復的で大量生産されており、動画間のバリエーションが少ない」と主張したものの、どの動画がどのガイドラインに違反したのかを示す具体的な証拠を提出しなかった、との指摘が記されています。

裁判所はこの点を踏まえ、収益化剥奪の前月分の収益明細を物的損害の算定根拠とした、と説明しました。ジュリアーノ氏はこの判断について「裁判所が考慮したのは、収益化剥奪の前月の収益明細でした。これが物的損害の証拠となりました。シンプルにそれだけです」と振り返っています。

 

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