あおいの給食室、レシピ流用めぐる給食業者との訴訟の経緯を公表 裁判継続のためのクラファンも開始
給食レシピを発信していたYouTubeチャンネル「あおいの給食室」(登録者数38万人)が5月26日、「レシピ流用の経緯とあおいが心を壊した理由、すべてをお話いたします。」と題する動画を公開し、業務提携していたハーベスト株式会社を2024年1月に提訴していたことを含め、裁判中を理由に2年半伏せてきた事件の経緯を詳細に公表しました。あわせて、訴訟継続のためのクラウドファンディングも開始しています。
レシピの流用トラブル
あおいの給食室は、保育園の管理栄養士として10年間勤務した経歴を持つあおいが、子どもが喜ぶ給食レシピを家庭で再現する動画を中心に発信してきたチャンネルです。レシピ本の出版や全国200園を超える保育園への献立提供など、YouTube以外にも活動の幅を広げ、SNSの総登録者数は120万人を超えていました。
しかし今年3月5日、あおいの夫である脇森健太郎が出演する動画で、神奈川の給食業者によって2年以上にわたりレシピが商用利用されている可能性が高いと告発。あおいがその精神的ショックから発病し、寝たきり状態に陥ったため、YouTubeチャンネルを終了せざるを得なくなったと公表していました。
なお、業務提携先のハーベスト株式会社の業務放棄については、すでに2023年10月時点で公式サイトに実名で経緯が掲載されていたものの、3月の告発動画では訴訟係属中であることを理由に、レシピ流用をめぐる相手企業の社名は明示されていませんでした。
裁判中を理由に2年半伏せてきた経緯を公表
5月26日に公開された今回の動画で、脇森は冒頭、「これからお話しするのは、裁判中のため2年半、公表を避けてきたことです」と切り出し、続けて「2024年1月、私たちは横浜市の給食会社『ハーベスト株式会社』を提訴しました」と、横浜地方裁判所での提訴の事実を明かしました。
提訴の理由については、「契約を一方的に解除され、業務データとして渡していたレシピ300件以上が流用されている可能性があるためです」と説明。「ただ単にYouTubeのレシピを真似されたという話ではありません」と前置きしたうえで、両社の間に正式な業務提携が存在していた点を強調しました。

提携時の説明が事実と異なっていた
業務提携の発端は2021年4月。ハーベスト株式会社から、あおいの給食室の名前を使った保育園向けミールキットの販売を持ちかけられたといいます。提案書には全国的に有名な大手企業(動画内では「A社」と呼称)が「共同でコラボする」と記載されており、これを信頼の根拠の1つとして提携を決定。当初1年の予定だった契約期間も、ハーベスト側の希望で7年契約に変更されました。
しかしのちの調査で、このA社は「あおいの給食室ミールキット」に一切関与していなかったことが判明したといいます。脇森は「提案書に名前があったにもかかわらず、実際にはコラボなど一切していなかったのです」と振り返りました。
中途解約禁止条項に違反した契約解除
2023年7月、ハーベスト側から「A社との契約に違反してしまったので、あおいの給食室ミールキットを終了したい」との連絡が入ります。脇森によれば、責任者は「1週間以内に対応を決める」と告げた後、2週間にわたり連絡が途絶え、その後設定したミーティングも2度ともドタキャンされ、契約解除の話し合いは一度も行われなかったといいます。
両社の契約書第9条には「中途解約は行ってはいけない」と明記されていたものの、ハーベスト側からは書面で「契約解除のお伺い」が届き、続けて「返信が遅いので、強制的に契約を解除します」との通告書も送られてきたと脇森は説明。あおいの給食室側が「話し合いを行わなければ応じられない」と返答したところ、ハーベストは翌月以降の業務を放棄したと振り返ります。

業務放棄を受けて、あおいの給食室側がミールキット終了の謝罪動画を公開し、契約していた保育園に対しても事情説明とお詫びの手紙を送付したものの、この対応に対しハーベスト側から「事実無根の内容を含む」「顧客情報の目的外利用に当たる」として、刑事告訴を含む法的措置を予告する書面が届いたといいます。
類似ブランド「はぴみる」と無断の顧客引き継ぎ
契約解除をめぐるやり取りと同じ2023年9月、ハーベスト株式会社はあおいの給食室に類似した独自ブランド「はぴみる」を立ち上げていたといいます。新規事業として栄養士の求人を出し、パンフレットを作成し、受注まで開始していたものの、当時はあおいの給食室との契約期間中でした。

ハーベストはあおいの給食室ミールキットを利用していた顧客に対し、「10月からあおいとの契約が終わり、ハーベストでその後をそのまま引き継ぎます」「食材も変わらず提供します」と説明していたものの、これは事実と異なるものだと脇森は指摘。あおいの給食室側は契約解除に合意しておらず、顧客の引き継ぎについても聞かされていなかったといいます。保育園の関係者からは「『このことは言わないでください』と言われた」との証言も寄せられているそうです。
その結果、あおいの給食室ミールキットの契約先だった保育園160園と、数百人の個人客が「はぴみる」へと引き継がれた形になったと脇森は説明しました。

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