クラファンサイト「うぶごえ」がアクセス不能に 数千万円規模の未払い騒動の渦中 多くのYouTuber・VTuberも利用
支援金の未払い問題が表面化していたクラウドファンディングサイト「うぶごえ」の公式サイトが、アクセスできない状態に陥っていることがわかりました。運営会社からの説明は一切なく、プロジェクト起案者や支援者の間に大きな動揺が広がっています。
掲載手数料0円を掲げた新興プラットフォーム
「うぶごえ」は、2021年2月にサービスを開始したクラウドファンディングプラットフォームです。運営するのは2020年9月に設立された「うぶごえ株式会社」で、代表取締役社長の岡田一男氏は業界大手CAMPFIREの元執行役員として営業部門・広報部門の統括を担当していた人物として知られています。
最大の特徴は、プロジェクト起案者から掲載手数料を一切取らず、支援者(うぶごえでは「パートナー」と呼ぶ)からのシステム利用料のみで運営するというビジネスモデルでした。起案者にとっては集まった支援金を100%受け取れる設計であり、「クラウドファンディングのLCC」を称して多くのプロジェクトを集めていました。
特に目覚ましい実績として知られるのが、2021年に「SKY-HI」(登録者数35万人)が立ち上げた「THE FIRSTから羽ばたく皆にもう一億円をかけたい!」プロジェクトです。BE:FIRSTをはじめとするBMSGアーティストの育成・制作費を募るこのクラウドファンディングは、開始わずか35分で目標の1億円を突破し、最終的にパートナー数5万9175人、購入総額は約4億5654万円という驚異的な数字を記録しました。
また、YouTubeを拠点に活動するクリエイターにも広く利用されていたプラットフォームでした。YouTuberの「佐伯ポインティ」(登録者数87万人)はチャンネルの収益化停止により2900本以上の猥談動画が削除の危機に瀕したことを受け、「猥談を残したい!佐伯ポインティの猥談保存プロジェクト」を「うぶごえ」で実施。動画をDVD BOXとしてパッケージ化して後世に残すという企画に支援が集まり、達成率1312%、支援総額は1312万3791円に達しました。
さらに、VTuberやVSingerの3Dモデル制作プロジェクトを数多く取り扱っており、専用の特集ページが設けられるほどの充実ぶりでした。多くのVTuberが3D化の夢を叶えるためにこのプラットフォームを選んでいたほか、歌い手グループがバーチャル化プロジェクトを実施するなど、YouTube界隈のクリエイターにとって身近な資金調達の場として機能していました。
5400万円超の支援金が集まるも、半額以上が届かず
しかし先月28日、衝撃的な事実が明らかになります。ゲームデザイナーのイシイジロウ氏が手がける新作『シブヤスクランブルストーリーズ』のプロジェクトチームが、「うぶごえ」からの支援金未払いを公表したのです。
同プロジェクトは2025年5月28日に支援募集を開始し、わずか1時間で目標額500万円を達成。最終的には支援者3522人から総額5475万4878円、達成率にして1095%という大きな支援を集めていました。ところが、2025年9月1日に予定されていた全額入金が実行されず、以降もプラットフォームからの支払いが滞り続けたといいます。
電ファミニコゲーマーのインタビューによると、イシイ氏側は運営会社に説明を求めましたが、代表の岡田氏からは「誤って別の取引先に振り込んでしまった」との説明がなされたとのこと。その後、弁護士を交えた面談で口座の開示を求めたところ、重要な数字が紙で隠された状態でしか見せてもらえず、イシイ氏は「誤振り込みは虚偽だ」と判断するに至ったと語っています。公正証書の作成や分割払いの合意など法的手続きを重ねたものの、同インタビュー時点で支払われた総額は約2700万円にとどまり、2775万円が未払いのまま残されています。
さらに、同プラットフォームを利用していた別のプロジェクト『パーガトリー・ブルー(PURGATORY:BLUE)』においても「深刻なトラブル」が発生していることが支援者向け活動報告で明かされるなど、問題は1件にとどまらない様相を呈していました。2025年12月25日にはSNS上で別の起案者から「入金が確認できていない」として情報提供を呼びかける投稿も行われており、影響は複数のプロジェクトに及んでいるとみられます。
こうした問題が業界全体に波紋を広げる中、業界大手のCAMPFIREは4月1日、支援金の管理体制に関する方針を発表しました。支援金を「預かり金」として自社資産と厳格に分別管理していること、支援金専用口座の運用や担当者単独では資金移動できない権限分掌、外部監査による検証体制を維持していることを明示し、「信頼のインフラ」を守る社会的責任を強調しました。
サイトにアクセスできない状態に
そんな中、4月15日夜から「うぶごえ」の公式サイト(ubgoe.com)にアクセスできない状態が発生、利用者の間では「サービスが閉鎖したのではないか」という不安が広がっています。
ブラウザからサイトにアクセスを試みると「DNS_PROBE_FINISHED_NXDOMAIN」エラーが返される状態となっています。このエラーはドメイン名(ubugoe.com)の名前解決そのものが失敗していることを意味し、一般的なサーバーダウンとは性質が異なります。ドメインの失効や登録情報の抹消といった、より根本的な原因が考えられます。










