3年前に「ヒグマに餌付け」と批判されたYouTuber、名誉毀損裁判での勝訴を報告

6月9日、「葉田ルコ」(登録者数19万人)が「【ご報告】ピザ熊の裁判が終わりました」と題する動画を公開し、2023年に炎上した“ピザ熊”騒動をめぐり、自身に関する動画を投稿していたYouTuber「すずしん工房」(同1万人)を相手取った裁判で勝訴したと報告しました。

2023年の“ピザ熊”騒動とは

葉田ルコは北海道を拠点に活動するYouTuberで、未確認生物を探す企画や珍しい生物の採集の動画などで知られています。葉田は2023年、北海道の森でヒグマに餌付けをしたとして大きな批判を集め、テレビでも取り上げられるなど大きな騒動に発展しました。

問題となったのは同年5月上旬に公開された動画で、森の中でデリバリーのピザやポテトを食べながら視聴者の質問に答える企画の最中に、ヒグマの親子4頭が出現。葉田とスタッフは食料を放置してその場を離れ、距離を取りつつクマがピザやポテトを食べる様子を撮影していました。

その後、葉田が撮影した地区周辺にヒグマの親子が出没するようになり、7月には札幌市によってヒグマが駆除されました。クマの特徴などから、動画に映っていた個体と同一ではないかと報じられ、「再生数のためにクマをおびき寄せたのではないか」との見方がネット上で拡散しました。

葉田は当時から、結果的にクマがピザを食べてしまったことは謝罪しつつ、意図的に誘引したとの疑惑は一貫して否定していました。

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すずしん工房が「検証」動画を相次いで投稿

この騒動を受け、北海道の自然やヒグマを題材とするYouTuber「すずしん工房」が、2023年5月以降、葉田の動画を取り上げる動画を複数本公開していました。

すずしん工房は、葉田が撮影したとされる場所を地形や植生から特定したと主張し、葉田が札幌市のヒグマ出没情報を参照して撮影に臨んだのではないか、餌の匂いでクマをおびき寄せる「誘引撮影」にあたるのではないかといった見方を、自身の推測を交えて展開していました。

なお、これらの動画は現在も公開されています。

葉田側はこうした内容を事実無根として反発。マネージャーの工藤は2023年5月の時点でXに、事実と異なる情報が出回っているとして対応を検討する旨の声明を出していました。今回認められたのは、この葉田側の主張だったことになります。

裁判は葉田側の勝訴、相手に損害賠償命令

今回の動画で葉田は、改めて炎上した経緯を振り返ったうえで、「野生動物を操るっていうことは基本的にできないんです。不可能なんです。出てくるも出てこないもクマ次第」と説明し、当該動画はあくまでハプニングを収めたものだと強調。「ピザで餌付けとかもしてないですし、というかできません」と、餌付け・誘引の事実を改めて否定しました。

葉田が訴えたのは、すずしん工房による名誉毀損とプライバシーの侵害でした。この内容が裁判で争われた結果、自身の主張が認められ、相手方に相当額の損害賠償金の支払いが命じられたといいます。

「投稿はネットカフェ回線から」 悪質性を指摘

葉田は、裁判を通じて判明したこととして、すずしん工房が投稿した動画に関して、ネットカフェの回線を使ってアップロードしていたと明かしました。

普通は自宅から投稿するはずだとしたうえで、「自宅のプロバイダーからアップしちゃうと開示くらったときにすぐ身元が分かっちゃう。だからネットカフェから投稿してた」と推測。最初から証拠のない憶測で発信していたと非難しました。

さらに、人の家の敷地内に立ち入ってナンバープレートを映す行為もあったとし、これがプライバシーの侵害として裁判でも認められたと説明しました。

YouTube動画

「被害者を1人でも減らせれば」 提訴に踏み切った理由

葉田は、当初は騒動を無視しようとも考えたものの、勝手な憶測で他者の活動を妨害し、印象操作を行うような行為で今後も被害者が出る可能性が高いと判断し、提訴に踏み切ったと語ります。こういった被害を受ける人が「1人でも少なくできればなと思って動きました」と述べ、過度な誹謗中傷や大量のアンチコメントが精神的に人を追い詰める深刻な行為であることに気づいてほしいと訴えました。

そのうえで、すずしん工房に対し、自身に関連する動画をすべて削除するよう改めて要求。また、他のチャンネルに対しても、葉田に関する動画の削除を求めました。

動画の終盤、葉田は炎上にもかかわらず応援を続けてくれた視聴者に感謝を述べ、長期間心配をかけたことを謝罪。「今後も本気で動画作りをやっていく」「1本1本の動画は、ルールや規則、許可取りなどをクリアして世に出している」として、引き続きの応援を呼びかけました。

コメント欄には「当然の結果です。長い間お疲れさまでした」「良かった。正義は勝つ!!」「やった~。これからも応援します」といったコメントが寄せられています。

同日、HadaRuko officeもXで一連の経緯をまとめた文章を公開しています。一方、すずしん工房からは現時点でこの件について言及はありません。