東京の火葬業者・東京博善が区民葬から撤退表明 葬儀系YouTuberが物申す「行政も、都民も舐められた」

東京の火葬業者・東京博善が区民葬からの撤退を表明した件について、葬儀系YouTuberの「佐藤信顕」(登録者数8万人)がXで苦言を呈しています。

東京23区の火葬の7割を担う民間火葬業者

8月1日、東京博善の親会社である株式会社広済堂ホールディングスは、2026年4月1日以降、特別区区民葬儀の取り扱いを終了することを発表しました。

東京博善は都内に6カ所の斎場を運営する民間の火葬事業者。明治期からの実績で民営が認められ、東京23区内の火葬の約70%を担っています。しかし、2021年以降は火葬料金が引き上げられ、2019年までは5万9000円であった大人の火葬料金は現在9万円にまで高騰しました。自治体が運営する火葬場であれば、住民の火葬料金は無料~5万円程度が一般的で、9万円という価格は「公益事業の精神からかけ離れている」として問題視されていました。

料金高騰については、令和元年に広済堂の株が「ラオックス」の業態転換で知られる羅怡文氏に売却されたことなど中国資本流入との関係性を指摘する声も上がっています。

区民葬の取り扱い終了宣言

区民葬とは、生活の困窮している区民の負担を軽減するため、民間事業者の自己負担で、祭壇・搬送・火葬といった葬祭サービスを安い価格で提供するもの。東京博善は、大人1人の普通炉での火葬料金が通常9万円のところ、火葬葬儀券を提示した区民には5万9600円で区民葬を提供しています。

区民葬の取り扱いを終了する理由としては、近年の制度の実態が「本来の目的に寄与するものではなく、公平を求められるご火葬のありかたとしてもふさわしくない」と判断したためだとしています。区民葬に必要な葬儀券を受け取る際に審査などはなく、本来の対象である低所得者でなくとも利用ができてしまうそうです。また、区民葬を取り扱えない葬儀社から「公益性の重要な火葬場において不公平な制度である」という声が寄せられているとしています。

生活保護受給者に向けた「減額・公費」火葬の取り組みは引き続き継続するとのこと。また、区民葬の取扱いを終了する利益を区民に還元するため、2026年4月1日より普通炉の火葬料金を3000円値下げし、8万7000円に改定することを告知しています。

また、東京博善の発表には「行政による新たな補助、助成を2026年4月以降で行うと聞いております」と記されていました。

葬祭系YouTuberが物申す「完全に行政も、都民も舐められた」

葬儀会社「佐藤葬祭」の社長であり、YouTubeで葬儀に関する情報を発信する佐藤信顕は、この件について「完全に行政も、都民も舐められた結果こうなりました。だから早々に指導しなきゃいけなかったんです」とXで物申しました。

佐藤は、東京博善が「区長会から新たな補助金を6月から始める」と先行して発表したことに対し、「行政の発表と歩調をそろえることなく(中略)先立って発表するのは、普通あり得ないこと」とコメントし、行政の指導管理が行き届いていないことを問題視しています。佐藤はまた、

火葬権という莫大な利益を生む原資を一部民間企業に与え、かつ補助金制度を作らなければいけないとしたら、行政のコストアップであり、これは23区民の負担が巡り巡って増えるという事で、状況を看過したのは23区であると言わざるを得ない状況です。

と述べた上で「これが中国資本に火葬というインフラ買収された結果であれば、対応が遅すぎたと言わざるを得ないでしょう」と、行政の対応を非難しました。区民葬の取り扱い終了宣言は、「いままで協定料金があったけど、来年からは協定料金には応じないという非常に身勝手な決定」だとして憤りををあらわにしています。