世界一のYouTuber「MrBeast」、マヤ文明の遺跡探険動画が物議 メキシコ当局が異例の声明

5月10日(アメリカ時間)に「MrBeast」(登録者数3.95億人)が投稿したメキシコの遺跡を探検する動画が物議を醸し、当局が声明を発表しました。

MrBeastの動画に当局の機関が異例の声明

世界最多のYouTube登録者を誇るMrBeastは、メキシコを訪れてユカタン州のチチェン・イッツァやカンペチェ州のカラクムルといったマヤ文明の遺跡を100時間にわたって探検する動画を公開しました。チチェン・イッツァはマヤ古典期の都市遺跡であり、中央部には農耕の神「ククルカン」を祀る荘厳なピラミッド「エル・カスティージョ」が立つことで知られます。

ピラミッドの奥深い内部に入っていくMrBeastは、「政府がこんなことを許可しているなんて信じられない。本当に狂っている。考古学者でさえここに入ることを許されていないんだから」と自分たちの立ち入りが特別であることを強調していました。

動画には、ヘリコプターに乗ってピラミッドの頂上に降り立ったように思わせるシーンや、当局が立ち入りを禁じている頂上の神殿内部をドローンで撮影するかのようなシーン、古代遺物と思しき仮面をMrBeastが手にとって触るシーンなどが含まれており、現地では、他の観光客による不法行為を助長する、といった観点から立ち入りを許した当局を批判する世論が強まりました。

こうした批判を受けて、遺跡の保護や管理を担う政府機関・国立人類学歴史研究所(INAH)は12日に異例の声明を発表。MrBeastによる遺跡探検と撮影はメキシコ観光省との共同事業として「正式な要請」に基づいたものであり、一般公開されているエリアや正当な理由のある予約訪問で入ることのできるエリアで行われたものだと述べました。

一方、ドローンでの撮影は建造物の外部からの飛行に限られており、内部での飛行は行われていないと説明。ヘリコプターで降り立つシーンや、遺跡内での宿泊、先住民のマスクを手にしたことなどは事実ではなく、マスクは「複製遺物を本物のように誇張したもの」だとしました。これらは、「YouTuber特有の演出による虚偽の表現」であり、撮影には研究所職員の監督のもとで行われたとしています。

情報の歪曲があったとはいえ、YouTuberによるこうした動画はメキシコ国内外の若い世代に対して、先住文化や考古学遺跡への関心を喚起する可能性がある、とINAHは肯定的な評価も述べています。

YouTube動画