バーチャルYouTuber四天王・輝夜月の引退の真相を“生みの親”が語る 「“見てる先”が違った」

「バーチャルYouTuber四天王」の1人「輝夜月」(登録者83万人)を生み出した株式会社VICの田中良典氏が、輝夜月の引退の真相についてYouTube動画で語りました。

バーチャルYouTuber四天王・輝夜月

2017年に活動を開始した輝夜月(かぐや・るな)は、「キズナアイ」(同307万人)らとともに、「バーチャルYouTuber四天王」として人気を集めたVTuberで、2019年にはVTuber史上2人目の登録者100万人を達成しました。VR空間での初のライブや、日清焼そばU.F.Oとのコラボで、最も標高の高いところでのライブ配信を実施するなど、新しい取り組みをおこなっていたことでも知られます。

ところが2020年8月以降はYouTubeの更新をストップ。2021年11月にはファンクラブも終了し、事実上の引退状態となりました。

輝夜月の“中の人”は「P丸様。」(同308万人)で、昨年には、2019年に輝夜月が出演した日清焼そばU.F.OのCMのP丸様バージョンが公開されて話題になりました。

輝夜月が時代を作ると思っていた

そんな輝夜月を生み出した株式会社VICの代表取締役・田中良典氏が5月2日、VTuberの「しるふ。」の動画に出演。その中で、輝夜月の引退の真相について明かされました。

しるふから引退理由を聞かれた田中氏は「俺と揉めました。で、結論から言うと俺が悪いんだよ。全部」と回答。「お金で揉めてるし、当時の俺の人間的性格でも揉めてる」と打ち明けました。

田中氏によると、輝夜月は実は赤字が続いており、「輝夜月が終わった時点で会社はマイナス5000万だった」のだとか。

しかし、「輝夜月が時代を作ると思っていた」という田中氏は、赤字で走り続けることを選択し、次々に新しい企画に挑戦していました。

(アニメ映画の)『サマーウォーズ』の(仮想)世界の、一番最初の原型が作れるかもしれないと思ってた

イラストレーターさんのアウトプットと、P丸様っていう才能は、俺が惚れ込んだだけあって、ここは本当に次の市場作れる存在だって俺が思ってた

田中氏は、配信者の延長線上のVTuberではなく、『サマーウォーズ』の仮想世界のような、「『もう1個の現実』を作りたい」と思っていたそうです。

しかし当時はランニングコスト抑える方法を知らず、現在のようなツールもなかったうえ、他社との契約条件も良くなかったとのこと。「何するにしてもずっと赤字だった」といいます。

当時の「第1ゴール」は「アバターを着た有名人が当たり前の世界」を作ることで、現在はその目標が達成されているため「後悔はしていない」と語る田中氏。現在のVTuber界の二大巨頭であるカバーとANYCOLORがVTuber事業に乗り出すにあたり、田中氏に「どうやって作るの?」って聞いてきたらしく、オフィスに教えに行ったこともあると話していました。

一番の大きな瓦解要因は“見てる先”が違ったこと

輝夜月の引退には、お金に加えて「思想の問題」もあったとのと。

田中氏は当時、「めちゃめちゃ尖っていた」といい、いろいろな社員と揉めていたのだとか。「俺が面白いというものが絶対面白いっていうやべぇヤツだった」と自身を評します。

そして「一番の大きな瓦解要因は、見てる先が違った」ことだそう。現実的に「お金が欲しい」と考えるメンバーもいる中で、「未来」しか見ていなかった田中氏は、「稼げたんだけど、俺が止めてちゃったんだよね」と語ります。

これがきっかけで組織の分裂を招いたようで、田中氏は「今を生きている人と、未来に生きている人とで一緒に感覚でやっちゃダメだったな」と振り返りました。自身の行動は、プロデューサーや社長の行動ではなかったと反省の弁を述べた田中氏は「ただの、夢を追った、エゴを貫いたヤベえヤツ」と自虐。「申し訳ないとは思ってるけど、後悔はしてない」と語っていました。

今回の対談では、輝夜月の引退の真相はごく一部。輝夜月の生まれた経緯や、田中氏の半生から現在の事業など、1時間にわたって濃密なトークが繰り広げられています。

コメント欄では、「輝夜月の終始も田中さんの人生も、とても為になる話でありがとうございました」「Vtuber老人会の解像度がここに来て思いがけず上がりました」「時代を作ってきた歴史の偉人の話を聞いてる気分になった。V業界にとって価値のある動画だと思います」といった声が寄せられています。

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