「合法」主張していた“ファスト映画”投稿者、動画全消しして方針転換

“ファスト映画”を投稿していたYouTuber「ファストシネマ」(登録者数3.2万人)が全動画を削除し、方針転換を発表しました。

「漫画村の映画版」との批判集めた“ファスト映画”

“ファスト映画”とは、映画のシーンを編集した動画に字幕でのストーリー解説を加えた10分程度の動画のことで、2020年春ごろからYouTubeに投稿されるようになりました。

ファスト映画を投稿するチャンネルは、一時50以上にのぼり、中には8000万回以上の再生回数を獲得するものも。
動画が流行するにつれ、ネタバレや著作権上の問題を指摘する声も高まり、2020年11月にツイッターで投稿された「漫画村の映画版」との批判は大きな話題となりました。

2021年6月にはNHKがファスト映画を特集し、一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構が「明らかな著作権侵害であり重大な犯罪」にあたるとの声明を発表。
同月、著作権違反の疑いでファスト映画の投稿者が逮捕者されました。このうちの1人は1000万円を超える賠償金を支払って映画会社の1社と和解したことが報道されています。

唯一活動を継続していたファストシネマ

逮捕報道後、ファスト映画はYouTube上から消えていく中、唯一活動を継続していたのが「ファストシネマ」。

ファストシネマは、7月以降も『アイズ ワイド シャット』『ソーシャル・ネットワーク』『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』のファスト映画を投稿していました。

視聴者から批判の声は寄せられていたものの、ファストシネマは、広告収益を得ておらず、YouTubeの「Content ID」上でも著作権侵害の警告を受けていないことを根拠に、強気な姿勢で合法だと反論していました。

Content IDとは

「Content ID」とは、YouTubeが著作権の管理のために導入しているシステムです。(参考:YouTubeヘルプ
著作権者はこれを利用することで、複製された動画を検出することができ、検出した動画に対しては、

・閲覧できないよう動画全体をブロックする
・動画に広告を掲載して動画を収益化し、場合によってはアップロードしたユーザーと収益を分配する
・その動画の再生に関する統計情報を追跡する

の対応策をとることができます。
ちなみに、2番目の「収益を分配する」は、最近流行している“切り抜き”チャンネルから収益を徴収する際にも使われているようです。

ファストシネマは、自身の動画の広告収益は、映画の著作権者に支払われていると説明、

YouTube側から頂いた管理画面のメッセージによると「これは著作権侵害の警告ではありません」とのことです。「アカウントのステータスへの影響はありません」とも記載されております。(YouTube

と、YouTubeからも著作権侵害の警告を受けていないことから、違法性はないと主張していました。

 

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