名画を1分解説-毎日21時【toto Art】

名画を1分解説-毎日21時【toto Art】

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  • 《1分名画 0588》泣く花嫁の背後で、腕を組んで睨む画家|ヴァシリー・プーキレフ《不平等な結婚》

    《1分名画 0588》泣く花嫁の背後で、腕を組んで睨む画家|ヴァシリー・プーキレフ《不平等な結婚》

    指輪を授けられる花嫁。しかし室内は暗く陰鬱で、花嫁の目は涙で腫れているように見えます。隣に立つ新郎は明らかに老人で、新郎側の参列者は気味の悪い視線で若々しい花嫁と老いた新郎を見つめます。この絵は19世紀ロシアの画家ヴァシリー・プーキレフの「不平等な結婚」。プーキレフは貧しい農民の家庭に生まれますが画家として成功し、この絵の発表が評判を呼びモスクワ美術協会の教授となります。この絵は、金と権力を維持す

  • 《1分名画 0589》18世紀パリの赤ちゃんポスト|ヘンリー・ネルソン・オニール《パリの孤児院に子供を預ける母親》

    《1分名画 0589》18世紀パリの赤ちゃんポスト|ヘンリー・ネルソン・オニール《パリの孤児院に子供を預ける母親》

    重厚な鉄格子のある窓に肘をつき、憂鬱そうにため息をつく女性。窓の横にあるベルの紐を引こうと手を伸ばしていますが、彼女の目は焦燥としています。窓の下の台には、赤ん坊が入った籠。この絵は19世紀の画家ヘンリー・ネルソン・オニールの「パリの孤児院に子供を預ける母親」。タイトル通り、貧困からかまた別の事情からか、育てられなくなった子どもを預ける場面、今の日本でいう「赤ちゃんポスト」を描いたものです。慈善活

  • 《1分名画 0586》最後まで、故郷では認められなかった|アンナ・ノードグレン《車窓の女性》

    《1分名画 0586》最後まで、故郷では認められなかった|アンナ・ノードグレン《車窓の女性》

    画面の外の誰かに手を振る女性。彼女の髪は風になびき、身を乗り出す窓の下には「1.KLASS(一等車両)」と描かれていることから、彼女は汽車に乗りどこかへ旅立ち、見送る人に別れを告げているのだとわかります。この絵は19世紀に活躍したスウェーデン人画家アンナ・ノードグレンの「車窓の女性」。ノードグレンはスウェーデン王立美術アカデミーの最初の女子生徒の一人として才能を発揮しますが、国内では開花できず、フ

  • 《1分名画 0591》印象派の終焉とモネの苦悩|クロード・モネ《雨のリベール》

    《1分名画 0591》印象派の終焉とモネの苦悩|クロード・モネ《雨のリベール》

    岩に当たる白波。画面奥では激しい雨が降っているのか岩の輪郭はおぼろげになり、その様子が手前の岩の険しさと波の激しさを引き立てます。この絵は印象派クロード・モネの「雨のリベール」。1886年5月に開催された第8回印象派展にはモネやルノワール、シスレーなど初期の重鎮はおらず、すでにグループとして空中分解しかけた状態で開催されました。結果的にこれが最後の印象派展となり、グループのメンバーはそれぞれ独自の

  • 《1分名画 0590》ショパンを家に呼べた時代|ヘンリク・シュミラツキ《ラジヴィル公爵のサロンでピアノを弾くショパン》

    《1分名画 0590》ショパンを家に呼べた時代|ヘンリク・シュミラツキ《ラジヴィル公爵のサロンでピアノを弾くショパン》

    肖像がかけられた豪華な一室に集まる人々。中央で青年が奏でるピアノを聴きに、貴族一族が集まったようです。貴族の娘でしょうか。白いドレスの女性はピアノに肘をつき、ピアニストを見つめます。この絵は19世紀ローマで活躍したヘンリク・シュミラツキの「ラジヴィル公爵のサロンでピアノを弾くショパン」。そう、あの天才ショパンが演奏している場面です。録音技術が登場するまで、音楽はごく一部の貴族だけが楽しめる芸術でし

  • 《1分名画 0595》電気で言葉が届くなら、死者の声も届くはず|ジョルジュ・ルー《スピリット》

    《1分名画 0595》電気で言葉が届くなら、死者の声も届くはず|ジョルジュ・ルー《スピリット》

    真っ暗な部屋、男性はデスク上の小さな灯りで仕事をしていたのでしょう。彼は驚いたように立ち上がり、その視線の先にはピアノを弾く女性が。彼女は後ろ姿だけで若く美しいと感じさせますが、その姿は霧のような光に包まれ、ドレスは半透明に広がっています。この絵は19世紀フランスの画家ジョルジュ・ルーの「スピリット」おそらくは亡き妻か恋人の幽霊を描いた作品です。以前から幽霊的な考え方は存在しましたが、キリスト教で

  • 《1分名画 0594》見るに耐えず描き直された女性の顔|ウィリアム・ホルマン・ハント《良心の目覚め》

    《1分名画 0594》見るに耐えず描き直された女性の顔|ウィリアム・ホルマン・ハント《良心の目覚め》

    ケバケバしく飾られた室内の男女。2人はピアノを弾いていたのでしょうが、女性がハッとした表情で立ち上がり、男性はニヤけた表情で彼女をなだめます。テーブルの下では猫がこの一場面を覗いています。この絵は19世紀イギリスでラファエル前派を創始した一人ウィリアム・ホルマン・ハントの「良心の目覚め」貴族階級の不倫を描いた作品で、解けたタペストリー、薬指以外に付けられた指輪、捨てられた手袋など、当時の人が見れば

  • 《1分名画 0592》狂気の沙汰と言いながら、死ぬまで描き続けた|クロード・モネ《エプト川でのボート遊び》

    《1分名画 0592》狂気の沙汰と言いながら、死ぬまで描き続けた|クロード・モネ《エプト川でのボート遊び》

    暗い水面を進むボート。二人の女性が草木が生い茂る川を渡っています。この絵は印象派クロード・モネの「エプト川でのボート遊び」パトロンだった銀行家の姉妹でのちに義理の娘となる2人をモデルに描いていますが、モネの関心は明らかに水面にあります。この絵を描いた頃、モネはシルヴェリーの家を購入し庭で睡蓮を育て始めますが、この絵について友人に宛てた手紙が残っています。「またも実行不可能なことに取り掛かっている。

  • 《1分名画 0587》姿勢を正した少年は、まもなく働かされる|アクセル・ユングシュテット《スイスの石切場》

    《1分名画 0587》姿勢を正した少年は、まもなく働かされる|アクセル・ユングシュテット《スイスの石切場》

    切り立った岩山で仕事にはげむ男たち。角張った岩の断面や人々は、写真と見紛うほどのリアリティで描き出されています。画面手前では、岩に腰掛け一足先に休みに入ろうとパイプを持ち出す男性。その奥では、大きな石を二人がかりで動かそうとしている人がいます。彼らも一仕事きりがついたら休みに入るのでしょうか。その奥では、男性が金槌を振り上げ岩を割っていますが、その様子を小さな少年が見ています。少年は後ろで手を組み

  • 《1分名画 0593》モネが最初に描いた油絵は埼玉で見れます|クロード・モネ《ルエルの眺め》

    《1分名画 0593》モネが最初に描いた油絵は埼玉で見れます|クロード・モネ《ルエルの眺め》

    川で釣りをする男性がいる田舎の風景。水面の反射や草木の様子はとても写実的ですが、この絵はクロード・モネの「ルエルの眺め」一目見た瞬間、「モネらしくない」と感じる作品です。モネといえば睡蓮に代表されるような荒く大きな筆使いで光のゆらめきや空気感を表現した作品ですが、この絵はモネがそうしたスタイルに辿り着くずっと前、17歳の頃に描かれた作品で、現存する最初の油絵作品です。モネはアトリエを飛び出し屋外で