YouTuberが大麻所持「そそのかし」異例の書類送検
量刑は? 【弁護士が解説】
2021年3月23日、YouTuberとして活動する20代の男ら数人が、大麻取締法違反の疑いで書類送検されたと報じられました。報道された情報から、このYouTuberは「ノックチャンネル」(登録者数11万人)の可能性が高いとみられています。
(関連記事「大麻取締法違反でYouTuberが書類送検 ノックチャンネルか」)
この件について「SNS弁護士キタガワ」こと、弁護士の北川貴啓氏に取材しました。
「そそのかし」とは?
―報道によると、YouTuberは薬物の密売人に連絡を取り、「大麻を購入したい」と伝えて実際に大麻を持ってこさせた今回の行為を「そそのかし」だと判断したようです。
この「そそのかし」とはどういう意味なのでしょうか。
大麻取締法では、大麻を所持する行為を禁止しています。
もっとも、刑事責任を負うのは所持をした人だけに限られるわけではなく、大麻所持を指示したり(教唆)、手助けしたり(幇助)した人も罪に問われる可能性があるのです。
今回の「そそのかし」というのは、売買目的で大麻を持ってくるように密売人に指示したということですので、このYouTuberは「営利目的での大麻所持の教唆」の容疑で書類送検されたものだと思われます。
前科前歴がなければ、執行猶予付判決になる可能性が高い
―この場合の刑罰はどのくらいになるのでしょうか。
教唆犯は、実際に禁止行為をした人と同じ法定刑の範囲で裁かれることになります。
営利目的での大麻所持行為の法定刑は「7年以下の懲役」が基本なので、このYouTuberも同様の範囲で処罰される可能性があるということです。
もっとも現実的には、このYouTuberに前科前歴がないようであれば、検察官が起訴する可能性はそこまで高くないと思いますし、もし仮に裁判になったとしても、懲役数カ月程度の執行猶予付判決になると思います。
きわめて異例なケース
―今回のような違法薬物使用・所持のそそのかし行為で捜査機関が動く事例はよくあるのでしょうか。
私が知る限り、YouTubeやSNSがらみで教唆犯が逮捕・書類送検される事例はあまり見ないですね。
過去の事例で、ツイッター内で大麻使用を薦めた人物が逮捕されているようですが、きわめて異例なケースだと思います。
(参考:産経フォト)
ただ、YouTubeがこれだけ身近なモノになってきているので、さすがに警察も過激・悪質なYouTube動画についてはマークをしているようです。
再生回数を稼ぐ目的でモラルの欠けた動画撮影をしてしまうと、取り返しのつかないことになる可能性が高いですから、節度を保って、視聴者にとって有益な動画を制作してほしいですね。

弁護士 北川貴啓
慶應義塾大学法学部卒、明治大学法科大学院卒、神奈川県弁護士会(川崎支部)所属
■メディア実績
日本テレビ「実は私こういう者でして…」、フジテレビ「バイキング」、テレビ朝日「くりぃむしちゅーのハナタカ!優越館」、TBS「ゴゴスマ」ほか多数









