パチンコ店はなぜ経営を続けるのか。 休業決断のパチンコ店経営YouTuberが明かした懐事情

全国的にパチンコ店の休業が呼びかけられる中、現在も営業を続ける店舗の存在が物議を醸しています。

新型コロナウイルスの感染拡大防止のための休業要請に応じなかったとして、大阪府が店名を公表したパチンコ店の一部では、25日も営業が確認され、開店を待つ客が朝から行列を作った。…駐車場には神戸や和歌山など府外ナンバーの車も見られ、開店時には列は約300人に達した。
(参考:毎日新聞「店名公表パチンコ店、堺では300人行列 住民「ウイルス持ち込むかも、怖い」」)

なぜ、パチンコ店は休業しないのでしょうか。

「廃業せず休業可能」パチンコ店が維持費公開

2020年4月24日、「パチンコ店買い取ってみた」(登録者数8.2万人)の「ひげ紳士」が、自身の運営するパチンコ店「幸手チャレンジャー店(幸チャレ)」の休業中の維持費を公開しました。

幸チャレは埼玉県幸手市にある個人経営のパチンコ店で、これまでも月々の売上などの情報を公開してきました。
オープンに情報を見せていくスタイルや、オーナーであるひげ紳士の人柄などもあって多くのファンを抱える同店ですが、4月7日には公式サイトで「期限を設けない休業を決定致しました」と発表、今日まで休業が続いています。
(参考:幸チャレ軍団公式サイト「【パチンコ店買い取ってみた】【臨時】休業に関する重要なお知らせ」)

店舗のオーナーでもある「ひげ紳士」が公開した、幸チャレの営業時と休業時における経費の内訳がこちら。

営業時 休業時 差額
人件費 1,000,000円 800,000円 -200,000円
地代・家賃 800,000円 0円※ -800,000円
水道光熱費 400,000円 150,000円 -250,000円
機械代 600,000円 600,000円 0円
リース代 250,000円 0円 -250,000円
管理費 250,000円 50,000円 -200,000円
福利厚生費 350,000円 350,000円 0円
その他 100,000円 100,000円 0円
合計 3,750,000円 2,050,000円 -1,700,000円

※家賃に関しては、大家の厚意による減免とYouTube視聴者からのスーパーチャットによる支援、YouTubeの広告収入で賄える額ということで、0円として計算。

家賃・地代の大幅な削減に成功したほか、自身や役員の報酬を減額とするなど身銭を切る形で人件費も削減。
結果、幸チャレでは休業前と比較して170万円の経費削減に成功し、およそ200万円の維持費で休業が可能となったと明かしています。

オーナーのひげ紳士自らホールスタッフとして働くなど、平時から経費削減に勤しんでいたことも、ローコストでの休業を可能にしているとのこと。
ひげ紳士も、現状の維持費であれば5月までは休業が可能だと話しており「現時点では廃業は無い」としています。

色々な方のご好意やひげ紳士の努力により予想以上に低い維持費で休業が可能になりそうな為、現段階で廃業は無いと考えて頂けたらと思います(動画概要欄)

休業で節約できたのは45万円

幸チャレでは多額の経費削減に成功したものの、同時にパチンコ店の休業の難しさも浮き彫りになっています。

幸チャレが休業によって直接減らすことのできた経費は、水道光熱費(主に筐体にかかる電気代)の25万円と広告代の20万円。
合計して45万円で、営業時における経費の12%に過ぎません。

また、駅前や繁華街に出店しているチェーン店などの大規模店であれば「(家賃が)普通に400~500万円行く」ところも。
大家さんの厚意やYouTubeを通じた視聴者からの支援も他のパチンコ店が参考にできるものではなく、幸チャレで役員として経営に携わる「P」もこのようにコメントしています。

これって破格ですよ、正直。
200万で休業できるならうちも閉めるわって、みんな言いますよ。

閉業中も重くのしかかる設備費や人件費に加え、営業再開がいつになるか見通しが立たないことが、多くのパチンコ店が休業に踏み切れない理由となっているようです。