【新型コロナ】奨学金支給停止の日本人留学生、撤回を求め動画で抗議
日本人留学生の1人が声を上げています。
2020年3月21日、「ポーランドから声をあげてみる。」(登録者54人)が「留学生むけ奨学金一律停止について」を投稿しました。
受給予定だった奨学金を止められる。しかし…
現在、猛威を振るっている新型コロナウイルス。その影響は世界全体に及んでいます。
日本人学生への奨学金支援を行う日本学生支援機構「JASSO」は、留学生が感染症危険レベルがレベル2「不要不急の渡航は止めてください。」以上の場所へ渡航する場合、奨学金を支給しないことを規定しています。
(参考:「感染症危険情報レベル2以上の国・地域に派遣中(一時帰国中を含む)の2019年度海外留学支援制度(協定派遣)派遣学生の取扱いについて」「2019年度海外留学支援制度(協定派遣)事務手続きの手引き(8ページ)」)
3月17日、外務省は欧州各国の感染症危険レベルを引き上げ、それに伴い留学生への奨学金支給が停止されました。
(参考:外務省海外安全ページ「欧州各国に対する感染症危険情報の発出(一部の国・地域のレベル引き上げ)(新規)」)。
そんな中、現在ポーランドに留学中の日本人大学生は、ふんどし姿が特徴的な「せやろがいおじさん」(登録者22万人)に扮し、政府の対応について抗議しています。
ユーチュラが本人に取材したところ、日本の大学のほとんどが日本人留学生の自費による早期帰国を指示または強要しているとのこと(投稿者の大学は「指示」)。
そのうえで、帰国後も2週間の自主隔離のため、自宅または空港付近のホテルに滞在することを求められたり(すべて自費)、公共交通機関の利用を自粛するよう要請されていたりと、留学生は不遇を強いられているといいます。
早期帰国がかえってリスクに
ポーランドに滞在している彼は、政府から早期帰国を要請されていますが、ポーランドの感染者数は日本のそれよりはるかに少なく、今急いで帰国する必要性はあるのかと疑問を投げかけます。
また、帰国する過程で自分たちが感染したり、感染したまま帰国して日本にウィルスを持ち帰るリスクのほうを懸念すべきだと話します。
「どないして生きていくん!?」
彼は
そもそも奨学金を受給している私たちの多くは、経済的理由によって自己負担での留学が困難であると認められている。
と、奨学金制度を利用する学生の金銭的な事情を説明します。
僕たちみたいに早期帰国が難しい者たちはこれからの滞在費用を自己負担しないといけないし、帰国する者もその帰国便を自分で取って、さらに帰国した後、2週間は自分で隔離しなければならない。
そして公共の交通機関を使えないのでホテルを2週間近く取って、食事など生活費をすべて賄わなければならない。
彼はテロップで、「どないして生きていくん!?」と、政府の対応を批判しています。
帰ってきてほしいのか、帰ってきてほしくないのか
3月13日、ポーランドでは首相が「感染脅威事態」を宣言。3月15日0時より、事実上の国境封鎖が行われました。(参考:日本貿易振興機構「ポーランドが「感染脅威事態」を宣言、外国人の入国を制限」)
唯一、徒歩やバスなどの陸路によりドイツなどへの出国は可能だそうですが、多くの人々が集中することは明白で、それこそ感染リスクが高まります。
そして早期帰国の要請を守り、やっとの思いで帰国しても、帰国後は自費での隔離生活を要請されています。
彼は
そんなの、なんか(政府が)「はよ帰ってきて~」って言ってるのに、(いざ帰ってきたら)「いや来るな、来るな、来るな」って言っているみたいなもんじゃない!?
と、政府の対応に疑問を投げかけています。
浮き彫りとなった奨学金制度の欠点
今回突然奨学金支給を停止されたことを受け、彼は
留学制度も、平時の時にどれだけ整っていようが、緊急事態の時にストップするようなものだったら僕たち(留学生)はとても不安です。(中略)こういった緊急事態に役に立たないんだったら変えた方がいいんじゃないですか!
と、改善を訴えます。
また、「奨学金の予算は既に確保されていたはず」という前提のもと、
もともと受給するはずだった奨学金を支給してくれて、それを帰国便に充てていいよとか、滞在費用に使っていいよとかっていうふうにしてほしいんです!
と、単に支給を停止するだけでなく、状況に合わせて奨学金を有効活用できるような仕組みに変えてほしいと求めました。
大学教授からの「お願い」
留学生向けの奨学金が停止されたことに関して、九州大学教授の「今井宏昌」氏がツイッターに投稿しました。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策にともなう留学生への対応あまりにもひどいので、いち大学教員として「皆さまへのお願い」を書きました。私が知っているのはヨーロッパ留学のケースだけですが、他の地域の留学生への対応についても、情報を共有できればと思います。https://t.co/aAAWj8MC7a pic.twitter.com/Ypyd6ywCPq
— 朝守飛阿弥 (@heero108) March 22, 2020
留学生に限らず、ヨーロッパからの入国者には公共交通機関の利用自粛や2週間の自主隔離が要請されており、経済的な理由でそれが困難な帰国者は要請を振り切って公共交通機関を利用し実家などに帰るケースが増えていること。そしてそのことにより世間からのバッシングを受ける可能性があることなど、帰国者の現状について述べ、
どうか彼ら/彼女らに批判の矛先を向けるのはやめてください。
と求めました。
政府に向けた署名活動
彼はこの件に関して、現在署名活動を行っており、
・留学先に残る学生への奨学金支援の継続
・留学先から緊急帰国した学生への奨学金支援の継続
を日本政府に求めています。
彼の訴えに賛同する方は、署名してみてはいかがでしょうか。









