元ハリガネロック・ユウキロック、テレビ局のオーディション激減を指摘 選考の主戦場はネット動画に

元お笑いコンビ「ハリガネロック」のユウキロックが自身のXを更新し、テレビ業界における芸人のオーディション激減と、若手芸人側で進む“応募離れ”について見解を綴りました。

ユウキロックについて

ユウキロックは1995年に大上邦博とお笑いコンビ「ハリガネロック」を結成し、漫才師として活動。2001年の第1回『M-1グランプリ』で準優勝、同年の『爆笑オンエアバトル』ではチャンピオン大会で優勝を果たしています。

2014年3月にコンビを解散したのち、2020年3月にYouTubeチャンネル「ユウキロックのエンタメウェビナー」を開設。2021年2月に吉本興業を退所してフリーランスへと転じてからは、お笑い講師、構成作家、ライターなど多岐にわたる活動を続けています。

現在は「ユウキロック|毎日コラム」名義でXに連日投稿を行っています。

「ネタ見せ」が消えた現場、選考の主戦場はネット動画へ

ユウキロックは4月20日の投稿で、テレビ業界の現状について「『テレビ局にお金がない』という話は、もはや聞き飽きたかもしれないが、これだけではない。良くも悪くも効率化が進んでいる」と切り出し、その象徴として、いわゆる「オーディション」が激減している実態を挙げました。

ユウキロックによると、かつてのように「何十組もの芸人を放送局に呼んでネタ見せをしない」のが今のテレビ現場で、長らく若手芸人の登竜門だった、大人数を集めてのネタ見せ文化はすでに過去のものになりつつあるとのこと。

それに代わって演者を選ぶ手段が「ネットで動画を見る」ことだそう。ユウキロックは「全部が全部とは言わないが」と前置きしつつも、ネット上に公開されているネタ動画を起点に人選が進められているのが、今の選考の主流であると説明しています。

そのうえで「だからこそ最低限YouTubeは作ってネタ動画は上げろと言いたい」と若手芸人に呼びかけ、「これはYouTuberとして成功しろと言っているのではない」「再生回数など二の次でいい」と前置きしたうえで、「自分たちの『営業資料』であり『履歴書』を常にネット上に広げておくこと」が今の時代における最低限のプロモーションだと結論づけました。

若手の側も応募しなくなった「そこにチャンスなど存在しないことを彼らはすでに知っているから」

翌4月21日には、同じ問題を別の角度から取り上げる投稿を発信。今度は、若手芸人の側でも“応募離れ”が進んでいると指摘しました。

ユウキロックによれば、「テレビ局や制作会社がアンケート調査や出演の確約もないオーディションを募っても、応じる若い芸人は極端に少なくなった」のが現状。かつてのように「泥水をすするような思いでチャンスに縋る若手はいない」と表現し、本来であれば一番ハングリーであるはずの養成所の生徒ですら、「素人役」や「エキストラ」の募集に二の足を踏んでいるといいます。

その理由について、ユウキロックは「そこに『チャンス』など存在しないことを彼らはすでに知っているから」と分析しました。

加えてユウキロックは、業界全体の労働観の変化にも言及。「僕らの頃のように『奴隷のような扱い』はもうできない」とし、「今は『お金を積まれても、嫌なことはやらない』という価値観の人が多くなっている」と綴りました。良いか悪いかは別として若手はしっかり自分を守る方向へ向かっており、かつての「我慢が美徳」という精神論だけでは新しい才能を突き動かせない時代になっているとしています。

そして最後に「自分を安売りせず、守るべきものを守る。それは現代における、一つの賢い生存戦略なのかもしれない」と締めくくり、若手の選択を否定しない立場を示しています。