西任暁子のコミュニケーション・アカデミー

西任暁子のコミュニケーション・アカデミー

何もしないことに全力をあげる

動画タイプ
一般
公開日時
2026年5月15日 06:07
再生回数
32
高評価数
6
コメント数
-
エンゲージメント率
18.8%
データ確認日時
2026年5月21日 20:13

動画概要

お知らせの下に、動画の文字起こしを掲載しています。

<お知らせ>

💡『人間関係もじぶんもラクになる NACAコミュニケーション実践講座』5月から、第3期がスタートしました。ぜひ、一緒に学びませんか。
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🏫 コミュニケーション・アカデミー NACA
https://solaris.world/

📚 西任暁子 プロフィール
ラジオパーソナリティ
コミュニケーション・コンサルタント

大阪生まれ、福岡育ち。
アメリカ高校留学後、慶應義塾大学総合政策学部在学中にラジオDJデビュー。
東京FM、FM802など全国30局で番組を担当。
2026年4月より、FM COCOLOにて毎週月曜21時~新番組「LIFE HUB」を担当。
これまでにインタビューした著名人は、国内外5,000組以上。

MCを務めたPodcast
「Gaba G Style English シチュエーション別英会話」は
4億4千万DL突破&iTunesオールタイムベストポッドキャスト賞を3年連続受賞。

著書
『自分と相手の「本音」がわかる会話術』
『誰が聞いてもわかりやすい話し方』
『タイプ別対処法を伝授!伝わる話し方のコツ』
『話すより10倍ラク!新 聞く会話術』

コミュニケーションの視点から、
人々を人生の悩み・苦しみから解放し、
執筆・講座・講演を通して
「本当の自分を生きる喜び」を伝えている。

🌐 SNS・公式リンク集はこちら
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https://linktr.ee/nishitoakiko

〈文字起こし〉

西任暁子の自分発見ラジオ
ここ掘れワンワン、おはようございます。西任暁子です。

昨日は、心理療法家・河合隼雄先生が、本にサインを求められた時に何と書くか、というお話をさせていただきました。

「物事は努力によって解決しない」

というのが、それでしたね。

さあ、もしあなたがサインを求められたら、どんな言葉をお書きになるでしょうかね。

実は、河合隼雄先生にはもう一つ、サインを求められた時によくお書きになる言葉があったそうです。

それは、

「何もしないことに全力を挙げる」

いや、この「何もしない」というのは簡単ではないですね。昨日の話にもつながってきます。

子どもを育てていくにあたって、あれやこれやと親が世話を焼く方が簡単なんだ。むしろそうではなく、何もしない父として、母として、ただそこに在る、ともに在る。このことの方が難しいけれど、尊いんだ、というお話でございました。

私は、かつてスケジュールに空白があると、恐怖でしたねえ。

埋めなければ、という焦燥感に駆られて、誰かに会う。どこかに行く。何かを見る、聞く。予定を入れて、入れて、入れまくっていました。

自分では分かってましたね。なぜなのか、ということが。

それは、不安だったんですよ。予定が入っていないとね。

なぜか、心の中にある、目には見えない底なし沼のようなブラックホール。空虚感。

「自分が生きていていいのかな」
「自分の人生に意味があるのかな」

そう考えても仕方がないような穴が開いていて、それを感じなくていいように、見なくていいように、一生懸命、何かをやって埋めてるんだな、というのは分かっていました。

埋めて、埋めて、埋めたら、いつかこの穴は埋まるんじゃないかと思ってやっていたんですけれども、埋まらないんだな、っていうことが分かったのが40代半ば。

そこで、「どうしよう」と。

これ、一生やり続けても絶対埋まらないんだな、と分かってしまって、気づいてしまった。

だったら、もう埋めるのをやめようか、ということで、「何もしないこと」を全力でやったわけです。

まあ、きつかったですね。

この話を周りの方にすると、「ええ、無理無理無理!」って言われます(笑)

「よくそんなことできたね」とも言われますね。

だから、やっぱり皆さん、この「何もしない」ということの辛さ、怖さと言ってもいいものを、なんとなく感じていらっしゃるんじゃないでしょうか。

だからね、電車に乗っていても、例えばスマホを見ないで何もしていない人って、ほとんどいなくなりましたよね。

昔は、もうちょっといましたけれどもね。

だから、「何もしない」というのは、本当に私たちにとって難しい。

それはやっぱり、「自分には何か価値がない」という感覚に襲われるからじゃないか、という気がするんですが、いかがでしょうか。

河合隼雄さんは、心理療法家として、常に目の前に苦しんでいる方が現れるわけです。そしてセッションをする。話を聞く。

その時に、何か具体的に援助できるわけではないんですよね。話を聞いていくしかない。

その時、ある言葉が口癖になっていることに気がついたそうです。

「頑張ってください」

で、気がついてみたらね、そんなこと言ったって仕方がないんじゃないか、と分かるわけですね。

じゃあ、他に方法あるのかな、と思うと、ない。

何もできないんだ。

でも、「何もできない」「無為」「何もしない」――あっ、それが実は自分の仕事なんじゃないか、と。開き直りもありつつ、思えてきたんだそうです。

しかし、「何もしない」というのは簡単じゃない。

じゃあ、どうやってできるようになるか。

まず一つには、

「目の前の方に役立つベストな方法なんて、自分に分かるわけがない」

ということを確信している、ということだそうです。

いや、これ、我々はそんなことないですよね。

「こうやったらいいんじゃない?」
「こうした方がいいよ」

って、自分は何かいい方法を知っている、というふうに思いがちです。

しかし、心理療法家としてお仕事をされていく中で起こる失敗。それは、例えば、何か言ったことによって、クライアントの方が先生に対して強い依存心を持ってしまう。

そうすると、その人が自ら立ち上がる力の邪魔をしてしまう。

そういう失敗ですね。

そういう失敗が起こる時っていうのは、「自分が何かしなかったから」じゃなくて、「何かしちゃったから」ということが多いんですって。

だから、ベストな方法、良かれと思ってやったことがうまくいかない、ということを、たくさん経験されていらしたということです。

だから、

「分からないんだ」
「私にはベストな方法なんて分からないんだ」

これは、心理療法家のみならず、どんな人にとっても真実であって、心に留めておきたいことだなと思います。

日常のコミュニケーションにおいてもですね、自分がベストな方法を知っていると思うことによって、コミュニケーションがうまくいかない、ということは多々あると思うんですね。

そしてもう一つ。

どうすれば、「何もしない」ということができるか。

それは、

「目の前の方が、自分でベストな方法を見出すだろう」

という確信。

その方が、自分で見つけるんだ。そのことを、確かに知っている。確信している。

この二つがあって、私たちは、苦しむ人が目の前にいるのに、何もしないでいる強さを持つことができるんじゃないか、ということです。

これは、だから、お父さん、お母さんも、上司も、先輩も、学校の先生も、みんな一緒ですよね。

「最良の方法など、自分に分かるはずがない」という確信。

そして、

「目の前の苦しんでいる人は、その最良の方法を、自分で見出すことができるんだ」

という確信。

それを持って、「何もしないでいる」という強さを持てる。

「何もしないことに全力を挙げる」

この言葉も、とっても大切な言葉だなと思って、2日連続、河合隼雄先生の“サインに書く言葉シリーズ”ということで、お届けいたしました。

今日も聞いてくださって、ありがとうございました。

どうぞ気をつけてお出かけください。

いってらっしゃい。

西任暁子でした。ありがとうございました。

📖河合隼雄さんの『こころの処方箋』
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何もしないことに全力をあげる