作曲家YouTuber、生成AIの普及で音楽制作の案件がなくなったと明かす 「完全になくなりました」

6月11日、作曲家の「Ikuko Morozumi」(登録者数2000人)で「【衝撃実話】AIで仕事がなくなりました」と題する動画を公開し、企業案件として受けていた音楽制作の仕事が生成AIの影響によって完全になくなったと報告しました。

企業案件が生成AIの影響で「完全になくなった」

Ikuko Morozumi(イクコ・モロズミ)はCMや広告、イベント、インスタレーションなどの音楽を手がける作曲家・サウンドアーティストです。BGMやイベント楽曲を制作してきた経験を活かし、作曲やDTMに関する情報を発信しています。

動画の冒頭、モロズミは「私の仕事は完全になくなりました」と切り出すと、「これまで企業案件として受けていた音楽制作の仕事が、生成AIの導入で完全になくなりました」と説明。昨年9月の動画では「生成AIで作る音楽の脅威というものをすごく実感している」と話していたモロズミですが、今回の動画では「今は生成AIの影響で仕事がなくなっているということが分かりました」と明言しました。

企業からの依頼が来なくなった当初は、単なる予算削減だと思っていたとのこと。しかし実際には、CMだけでなくアーティストやミュージシャンの楽曲といったプロの現場でも、一部のフレーズやトラックがAIに置き換わるなど生成AIを組み込んだ音楽制作が行われていることがわかったそうです。ほかにもDTMスクールがAI作曲コースを設けるなど、音楽教育の中にも入り始めていると話します。

AI作曲の音質も現在は「結構普通に聞けるレベル」に達しているとし、「普通の人だったら(AIかどうか)気がつかないレベルだなという風には感じました」と評価。「音楽を仕事にしている人はこの危機感を持っておいた方がいい」と警鐘を鳴らし、自身もAI作曲の普及で「モチベーションめちゃくちゃ下がりました」と吐露しました。一方で、クオリティや仕事の速さ、知名度を理由に現在も企業案件を受け続けている作曲家はいるとして、全ての案件がAIに置き換わっているわけではないとの見方も示しています。

「一番大切なのは権利の問題」

先日行ったAI作曲についてのライブ配信でアンケートを実施したところ、賛成と反対が50%ずつに分かれたと報告。モロズミ自身もAIの利用自体を否定するつもりはないとしつつ、何を学習して作られているのか曖昧なまま使われることへの違和感を口にし、「一番大切なのは権利の問題だと思う」「あいまいな感じになってる法整備を早くちゃんと整備してほしい」と強調しました。この問題は音楽に限らず、絵や翻訳、文章を書く人にも関係することだと指摘しています。

今後については「AI作曲を否定するだけの時期ではなくなってきてる」とし、AIをテクノロジーの進化として受け止める必要があると見解を述べ、AIを用いた「ハイブリッド的な作曲」という新しいジャンルに肯定的な姿勢を見せます。一方でオリジナルで音楽を作っている人には「一から音楽を作れるっていう強み」に加え、「AI作曲にも活かせる部分がある」とコメント。モチベーション低下に理解を示しつつも「絶対に続けておいた方がいいです」と呼びかけました。

自身については、AIに代用されにくい分野としてフィールドレコーディングや現代音楽を用いた作曲活動への意欲を見せます。ほかにも「AI作曲を使いたい人にとっても、音楽の知識を人から学べるっていうメリットがあります」として、運営するDTMスクールにAI作曲用レッスンを加えることも検討していると明かしました。

動画の終盤では「AIを批判するだけじゃなくて、今後自分がどう向き合っていくかということの方が大切なんですよね」とコメントしたモロズミ。改めて「海外に比べて日本の法整備ってめっちゃ遅れてる」「早く法整備きちんとしてほしいな」と訴えるとともに「AIを味方につけて自分はそこから何ができるかを考えていく。そういったことが大切かなと思います」と締めくくりました。

コメント欄では「これは他の業種にも言えること。さらに進化するだろうから、ますます仕事の消滅はすすむだろう」「うちの業界も、お客さんが持ってくるイメージにGeminiのマークがついてることがかなり増えました。すごい時代が目まぐるしく変わっていますね」など、さまざまな意見が寄せられています。

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