ゆうき和尚 仏教・仏事解説

ゆうき和尚 仏教・仏事解説

宗教法人課税 問題点を整理してみた 課題は二つ 課税は憲法違反?

動画タイプ
一般
公開日時
2026年3月1日 18:44
動画長さ
16:16
再生回数
489
高評価数
48
コメント数
-
エンゲージメント率
9.8%
データ確認日時
2026年3月7日 20:27

動画概要

2月17日に宗教法人への課税案浮上というニュースが流れてから、ネットでは様々な意見が出されています。ただ、意見は出ているのですが、議論が全く噛み合っていない感じがしております。そこで、今回は宗教法人課税賛成・反対の立場の意見を紹介しながら、建設的な提案しております。

「お寺は税金を払っていない?」2.04
よくお寺は税金を払っていないということを言われます。そのような意見を直接聞いたこともありますし、またネットではよく書かれておりますが、事実ではありません。宗教行為にかかわるお布施、宗教施設に関する固定資産税は非課税ですが、住職が受け取る給与などは課税対象になっておりますので税金を払っております。
また収益事業を行っている部分については課税されております。
具体的に言うと駐車場・不動産業・物品販売などは課税対象になっており大規模な霊園なども課税されます。
わかりやすく言えば、宗教活動に関わるお金は非課税、収益事業は課税、また、給与として住職が使った分は課税するという形で、ある程度合理性があると私は思っております。

「お寺は税金を払っていない?お寺に課税したらどうなる?」
   • お寺は税金を払っていない?お寺に課税したらどうなる?(13分)  

「課税賛成派の意見」3.18
1 税の公平性の観点から課税すべき
一言で言えば、お金儲けをしているのだから、税金を払えということです。その通りかもしれません。ただ、一方で、宗教法人は他の法人のように補助金などは基本的に受けられません(収益事業を除く)要するに、苦しくなっても補助はしません。だから勝手にやってください、ということですから、課税するとしたら、補助金の部分もセットで議論する必要があります。
2 儲けている宗教法人は課税した方が良い
 これもある程度理解できる意見です。ただ、儲けているというのはどの程度でしょうか?食料品消費税減税の財源として5兆円ぐらいはあるという意見もあります。ただ、宗教法人は17万あると言われます。それを5兆円で割ると1法人あた約3000万円、そもそも、3000万円の収入がある宗教法人も少ないのに、課税してそんなに取れるんだろうか?という疑問はありますし、金額だけでなく課税するという線引きが難しいので、もう少し検討してほしいところです。
3 宗教活動をしていない
 これもある程度理解できる意見です。法事やお葬式だけしかしておらず、そのたびにまとまった金額を受け取りながら、高級時計をして外車に乗って夜な夜な女の子のいる店に飲みに行く、という批判があります。お寺のお金はお布施ですから考えて使って下さいという意見はある程度理解できます。ただ、税金を払った後の給与ですから使い方は自由じゃないかという反論をする僧侶もあります。ここは、課税した場合あまり指摘できなくなりそうですし、また、ただの思い込み・憶測の域を出ない話が多いです。ですから、それを拡大解釈するのはいかがなものかと思いますし、課税する根拠としては弱い気がします。
なお、個人的には、課税賛成派は感情論で述べているだけの人が多い気がします。また、寺院や神社に限らず、某巨大教団も斜陽で右肩下がりです。つまり、財源としては先細り状態で、恒久的な財源にはならない気もします。このような業界に新たに課税する意味があるのかどうか。そういう意味では、宗教界も理解できるような提案をして欲しいと思います。

「課税反対派の意見」6.15
1 小規模法人がつぶれる
 テレビニュースでも、某仏教会代表者が述べておられましたし、よく使われる主張です。ただ、これは斜陽産業の常として、課税しなくてもどんどん潰れていくので、主張としては弱い気がします。
2 寺院住職は公的な仕事をしているので公益性がある
 PTAの役員とか、民生委員、保護司、人権委員などを行っているので、公益性があるという主張です。おっしゃる通り、そのような公的立場の方は、少なくはないです。ただ、一方で私などは何もしておりませんし、そのような役回りが来ても断る僧侶も最近は多いです。そもそも、個人的な活動であって、公益性とは違う気もします。
3 そもそも課税しても税収は大きくはない
 課税したとしても、多くても数千億円という指摘もあります。タバコの税収が約2兆円ですから、大した財源ではない気がします。ここは検討が必要に思います。
4 社会的なデメリットが大きい
 私が前回の動画で指摘した意見で、伝統宗教諸宗派の境内は、現在は入るのが自由な私的な公園(そうでない場所もある)のような意味がありますが、課税することによって、それが失われます。一方で収入が減った宗教法人が金儲けに走りますし、むしろ、金儲けを目指す法人が生き残ることになるので、宗教の道徳的側面も失われ、社会の不安定さが増す可能性があります。
5 政教分離の原則に反する憲法違反という指摘
 憲法学者の小林節(せつ)氏によれば、宗教法人への課税は憲法違反という指摘がありますので、宗教法人の課税には改憲が必要かもしれません。
 課税賛成派は、お金の話ばかりしますが、それ以外のデメリットも検討課題にして欲しいところです、一方で課税反対派も宗教法人の現状に納得していない人が一定数いることは理解してほしいところです。

宗教法人はなぜ非課税なのか
   • 宗教法人はなぜ非課税なのか  

「公益性と透明性の問題」9.15
課税賛成派と課税反対派、双方の意見を聞いていると、お互いに都合の良い部分だけを主張しているように感じます。課税賛成派は収入の大きい法人に対しての意見が多いのに対し、課税反対派はむしろ弱小宗教法人を前提に話しています。したがって、議論の前提ができていないので、意見がチグハグしているように思います。現在の宗教法人の問題点はおそらく二つです。それは公益性と透明性の問題です。宗教法人は適正な宗教活動を行って、社会の安定に寄与するのであれば、公益性は担保されるのですが、それが十分ではない、またお金の流れなどに透明性が見えない部分が、支持されない。この二つが満たされるのであれば、現状の宗教法人非課税は支持されるように思います。しかし、現在のお寺などが、一般にも理解される公益性と透明性を持てるかと言えば、今の個人事業のような形態ではおそらく難しいと思います。一方で、休眠宗教法人が取引され脱税の温床になっているような状態は改善しなければいけないと思います。

「宗教法人の合併はできないのか?」10.58
以前「お布施が高く僧侶の質が悪い理由 現在の寺院が抱える構造上の問題 日本仏教に未来はあるか?」という動画で、このように表現しました。現在の仏教界は7万6千の事業所のほとんどが、家族経営で独立採算制のもと商品を製造から販売まで行っているようなもの。 しかも、事業所間の価格がバラバラで不透明、一旦ある事業所で購入したら年単位の契約になる。 これでは、仏教界に対して文句が出ない方がおかしいです。各寺院(住職)が布教・寺院運営・社会貢献・会計などオールラウンドに通じて、何でもこなすことが要求されますが、努力で改善しろと言うのも難しい。そこで、こんな提案を考えてみました。 宗教法人が合併してはどうでしょうか?
1 葬儀や法事は仏教界全体で受ける
2 それを適任者に割り振る
3 僧侶はお布施をそのまま受けるのでなく給料制
 注)お寺に入った収入を現在のように受けるのではなく、一旦、全部まとめるから、改めて給与として支給する
4 布教・社会貢献・財務・庶務部門をシェアする
5 僧侶(住職)は任期制にして3年で移動する
要するに会社のような組織として、宗教法人全体のコストを下げると共に、サービスアップを図るということです。問題となっている公益性や不透明性についても現在のお寺単位では難しいですが、合併した法人であれば情報公開しやすいので、理解されやすくなります。また、過疎化などによって運営が厳しくなる宗教法人の歯止め効果もありますし、現在は一人の住職に希望されている宗教的な期待を、多くの僧侶が対応できる体制を創ることによって、檀信徒の様々な要望にも対応しやすくなると思われます。

お布施が高く僧侶の質が悪い理由 現在の寺院が抱える構造上の問題 日本仏教に未来はあるか?
   • お布施が高く僧侶の質が悪い理由 現在の寺院が抱える構造上の問題 日本仏教に未来はあるか?  

「まとめ 危機を迎えている日本教」13.32
少し前に憲法学者の小林節氏の「宗教法人は公益性があるから非課税となっているのではなく、政教分離の観点から非課税となっている」という話を動画で拝見しました。法律理論としては、現状のままで問題がないような話でしたが、一方で、一般社会がそれを理解してくれるかどうかは別です。そういう意味で、「宗教法人は課税しろ」とお題目のように唱える人はともかく、ある程度寺院に対しても理解のある人に対しては、現状のままでよいというのではなく、何らかの提案をしていくことが必要な気がしています。
特に近年はこれまで普通とされていた葬儀やお墓に関して、日本文化の破壊工作のような認知戦(世論形成・分断対立を煽る)が仕掛けられている気がしております。そういう意味では、2500年の歴史を持ち、教義と理論体系がしっかりしている仏教自体は生き延びる気がしますが、これまで形だけが継承されてきた日本文化の土壌ともいえる民俗信仰の日本教にとっては危機的な状況にも思えます。ですから、今回の宗教法人課税問題に対して、課税推進派・反対派共に従来の主張を繰り返すのではなく、対立を煽らない建設的な提案が必要にも思います。

追加)今回は仏教界だけに限っておりますが、すべての宗教法人が当てはまる話と思っています。現在、宗教法人が取引され脱税の温床となっておりますが、その多くは単立の宗教法人です。宗教法人が合併することによって、個人が宗教法人を買い取ることはできなくなると思われます。
一方、透明性や公益性の担保としての情報公開も、現在のように宗教法人が17万もあるような状態では、事務手続きだけで大変なので、容易に課税することもできません。したがって、合併によって宗教法人数を減らすことによって、内部の状態が見えやすくなると思います。

#宗教法人課税
#寺院
#政教分離
#密教
#真言宗
#仏教
#公益性
#透明性

0:00 オープニング
2:04 お寺は税金を払っていない?
3:18 課税賛成派の意見
6:15 課税反対派の意見
9:15 公益性と透明性の問題
10:58 宗教法人の合併はできないのか?
13:32 まとめ 危機を迎えている日本教
宗教法人課税 問題点を整理してみた 課題は二つ 課税は憲法違反?