スシローは6700万円の損害賠償を「回収できない前提」で請求? 北村弁護士が解説

6月19日、『行列のできる法律相談所』(日本テレビ系)などへの出演で知られる弁護士の「北村晴男」(登録者数37万人)が、自身のYouTubeチャンネルを更新。「スシロー事件に進展が! 損害賠償請求額6700万円 この金額は妥当なの?」と題した動画を公開しました。

株価の暴落より「イメージダウン」が問題

動画の話題は今年1月、岐阜県の少年が大手回転寿司チェーン「スシロー」で、醤油さしやコップを舐める様子をSNS上に投稿した“スシローペロペロ事件”。スシローは少年に対し6700万円の損害賠償を求める訴訟を起こしたと報じられています。

今回は「株価が160億円以上の暴落を受けた」とされるスシローが請求した、6700万円の損害賠償は妥当な金額なのかについて、北村弁護士が解説します。

北村弁護士によると、株価が暴落したタイミングでスシローが自己株式を売却した場合、「落ちた分を損害賠償請求することは理屈上は可能」なのだとか。しかし売却していなければ、損害が現実化していない“含み損”が発生するものの、「自社株の価値が減った分を損害賠償請求するのは考えにくい」との見解を述べました。

それよりも、スシローが問題視しているのは「売り上げ減」だと北村弁護士は推測します。今回の件が、スシローの「イメージダウン」となり、客足や売り上げが減ったことが問題なのだそう。

またスシローは、再発防止の対策を余儀なくされ、国内にある626店舗の全てにアクリル板を設置するなどの工事を進めているそう。北村弁護士は「1店舗で10万円かかるとなると、これだけで6260万円になりますよね」と発言。これは今回の事件が起こらなければ「必要がなかった費用」のため、損害として裁判所に認定されやすいと説明しました。

ちなみにスシローを運営するFOOD & LIFE COMPANIESは、事件の直後、3015円から2870円まで株価が暴落したものの、その後は回復し、現在は3079円ほどとなっています。

スシローは損害賠償を「回収できないことを前提」としている

損害賠償として6700万円を請求したスシローですが、今後も請求を拡張する姿勢を見せているとのこと。

そんなスシローに対し、ネット上では「損害賠償を請求するのはいかがなものか?」と、反省している少年を擁護する声も上がっています。これに、北村弁護士は「私が弁護士だったら、スシロー側に必ず訴訟を起こすべきだと言います」と発言。「自分のやった行為に伴って、社会にどんな損害を与えるのか」ということを、全国に潜んでいる「イタズラ予備軍」など「全ての少年少女に知ってもらう」目的があると説明しました。

北村弁護士によると、スシローは「全く回収できないことを前提として訴訟を起こしている」のだそう。

スシローは今回、支払い能力の低い未成年の少年のみを被告として訴訟を起こしています。北村弁護士は「(損害賠償の)回収を考えるのだったら」「親も被告に入れるのが普通」と解説。今回は「一般予防効果」を狙った「知ってもらうための訴訟」だと見解を述べました。

この動画に、コメント欄では「素晴らしい分析」「スシローが、親に対して監督責任を問わなかったのは犯罪予備軍に対する周知なんでしょうね」「サプライチェーン全体がどう言う影響を受けたか、明確に示す必要がある。訴訟は絶対必要」など、北村弁護士の説明に納得の声が広がっています。