池袋暴走事故から1年。遺族が本名公開、YouTubeで想い語る
2020年4月、1年前に池袋で起きた自動車の暴走事故の被害者遺族・松永拓也さんが、YouTubeチャンネル「池袋自動車暴走事故 遺族松永」を開設しました。
16日に投稿した動画の中では本名をフルネームで公開するとともに、今後の裁判や加害者に対してのコメントを発信しています。
多数の被害者出した池袋での暴走事故
昨年4月、東京都豊島区東池袋の交差点付近にて、旧通産省工業技術院の元院長・飯塚幸三被告の運転する自動車が暴走し、2人が死亡、運転手を含む10人が負傷する事故を起こしました。
ネットでは、その後の警察や報道機関の対応を不審に思う声が相次いだほか、飯塚被告が元官僚であったことが発覚すると「“上級国民”は逮捕されない」といった書き込みが殺到するなど、注目を集めていました。
昨年8月には「コレコレ」(登録者数112万人)が容疑者への厳罰を求める署名活動を行い、およそ300人のリスナーからの署名を集めています。
(関連記事「コレコレ、池袋暴走事故の厳罰を求める署名で300人を集める」)
YouTubeで情報発信
YouTubeに動画を投稿するという形で声明を発表したことについて松永さんは、本来であれば記者会見をひらく予定だったものの「感染リスクを抑えるために会見ではなくYouTubeでの配信を選択」したとしています。
交通事故への当事者意識を
「最愛の妻と娘は、暴走する高齢ドライバーの自動車にはねられ亡くなりました」と事故を振り返った松永さん。
事故後は「2人の命を無駄にしたくない」という思いから、「あいの会」を設立したこと、要望書の提出を行い、内閣府の主催する会議にも参加するなど、さまざまな活動に尽力してきたと話しました。
また、交通事故は他人事だと思っていた昨年までの考えを「それは間違いだった」と否定しました。
「人ひとりの人生で交通事故に巻き込まれる確率は50%」だとして、視聴者に対して当事者意識を持つよう呼びかけました。
誰しもが被害者にも、遺族にも、加害者にもなり得ます。だからこそ、運転に不安がある上での運転やながら運転、あおり運転、飲酒運転などはしないようにしていただければと思っています。
昨年4月の事故以降、高齢者の免許返納の件数が増加しているという報道については「(免許を返納した)ご本人と親族の方々に心から感謝いたします」と述べるとともに、公共交通機関の整備が進まない地方の現実について「引き続きあいの会と共に国に訴えかけていきたい」としました。
加害者から「直接真意を聞きたい」
松永さんは、今後行われる飯塚容疑者の裁判にも「同様の事故の再発防止への“種”にしたい」として参加する意思を表明しています。
また飯塚被告に対しては「遺族として、加害者本人から直接真意を聞きたいです」と話したほか、
軽い罪で終わる前例を作りたくない。
加害者は奪った命と向き合い、自分の行いと向き合う場所と時間が必要だと私は思います。
と、厳しく責任を追及したい考えを示しました。
本名の公表は決意の表れ
これまで本名の公表は、苗字である「松永」のみにとどめて来た松永さんですが、この動画を公開するにあたって名前の「拓也」も公表しています。
フルネームを公開したことについては「1年を節目に決意を込めた」とコメント。
事故から1年が経過して
心の準備、戦う準備、交通事故防止への覚悟、沢山の支援者ができた
と、環境の変化もあったとしています。
事故を無くすことに尽力する松永さんに対して、コメント欄では「なんて立派な人なんだ」「心から応援いたします。」といった応援の声が多数寄せられています。









