JRA、YouTube上の映像無断使用に本格対策 専門事業者と連携して著作権管理を強化

JRA(日本中央競馬会)」(登録者数102万人)は4月8日、YouTube上で流通するJRA関連映像の著作権管理体制を強化すると発表しました。デジタル権利管理の専門事業者であるTowerhouse社と連携し、無許諾で使用されたレース映像などに対して公開範囲の制限や広告停止といった措置を講じていく方針です。

以前から問題視されていた公式映像の無断使用

JRAの公式映像がYouTube上で無断転載される問題は、以前から競馬ファンの間で広く認識されていました。昨年9月22日に行われたJRA関東定例記者会見では、清水康行広報担当理事がこの問題に初めて公式に言及。「JRAでは著作権や肖像権保護の観点から、映像、音声等の著作物の二次利用を禁止しております」と述べたうえで、「近年、特にYouTube等で本会のレース、調教映像の無断使用が増えていることは認識しており、対応を強化している」と明言しました。さらに「特に本会および競馬のイメージを悪化させるおそれがある悪質なサイトに対しては、委託業者を通じて削除要請をしている」とし、実際に削除に至ったケースもあることを明かしています。

この発言を受け、2025年後半から2026年にかけて、レース映像を使用していた複数の競馬系YouTuberの動画が削除される事例が相次ぎました。当時SNS上では「競馬YouTuber終了」といった声も飛び交い、レース映像を用いた予想動画や回顧動画を主力コンテンツとしていたチャンネルにとっては大きな転換点となりました。

一方でJRAは、公式チャンネルを通じた映像配信の拡充にも力を入れています。先月14日には、電話・インターネット発売50周年の節目に合わせ、グリーンチャンネル「中央競馬全レース中継」の無料ネットライブ配信をスタート。JRA公式YouTubeチャンネルでも視聴可能となり、配信初日には最大10万人超が同時接続、わずか2日間でチャンネル登録者数が9万人以上増加するなど大きな反響を呼びました。その後も登録者数は伸び続け、今月初旬には100万人を突破しています。


JRA公式チャンネルの登録者・再生数推移(ユーチュラ調べ)

Towerhouse社と連携して対応

こうした流れのなかで発表された今回の施策は、これまでの個別対応から一歩踏み込んだ、体系的な著作権管理体制の構築といえます。

JRAの発表によると、対象となるのは「JRAの許諾なく、JRAが権利を有する公式配信(レース・調教・パドック等)の映像、およびそれらを素材として再利用した動画コンテンツ等」です。レース映像をそのまま転載したものだけでなく、公式映像を素材として編集・加工した動画も対象に含まれます。

運用面では、「YouTubeの機能および関係各社との連携を通じて、動画の公開範囲の制限や広告の停止その他の必要な対応を、適切に判断・実施」するとしています。連携先であるTowerhouse社は「YouTube上のコンテンツの検知・分析や運用面での支援など、JRAの判断にもとづく対応を技術的・実務的な面からサポート」する役割を担います。

今回の発表を受け、SNS上では「レース映像を勝手に使ってる実戦系の競馬ユーチューバーは終わりやね」「がんがん強化して」といった声が寄せられています。

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